北朝鮮当局は最近、朝鮮民主女性同盟(女盟)員を対象にした講演会で、昨年の農業が成功したのは、金正恩氏の領導業績だと宣伝し、草堆肥生産を奨励している。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、最近行われた女盟講演会で、昨年の豊作について「元帥様のお言葉通り畑に腐植土を多く撒いた結果」だとし、今年の草堆肥生産をより精力的に行うよう奨励している。

草堆肥とは夏に草を刈り、発酵させて作る肥料のこと。生産期間は草がある程度育った頃の7月中旬から8月末までだが、今から奨励に乗り出した背景には、住民を動員して生産量を増やし、慢性的な肥料不足問題を解決する狙いがあると思われる。

情報筋は「昨年は女盟員1人当り1トンだったが、今年は1.2トンに増やされた、ただでさえ食糧確保で忙しい主婦たちは目が回る思い、草がある場所も毎年減っている中で、草堆肥の生産課題は毎年増えており、住民は課題を達成するためにコチェビまで手伝わせている」と説明した。

草堆肥生産課題が増えたことで、住民からは不満が噴出している。

「課題遂行状況を厳しく問われることになれば、窃盗が続出するだろう。家事に忙しく、コチェビの力も借りられない女盟員らは、ため息ばかりついている。田畑に堆肥をたくさん撒いても、天候が悪ければ水の泡になる。それだったら、『今年も豊作にしてください』と天に祈るほうがまし」(情報筋)

情報筋によると、都市は言うまでもなく農村でも周辺の土地が全て畑になっているため、わずかばかりの空き地に育つ草は、牛、羊、ヤギ、豚に与える飼い葉として刈り取られ、草が生えるすきがない。飼い葉に使えない固い草も、燃料用に全て刈り取られるという。

課題を達成するために、山奥まで草刈りに行く人もいる。数人1組で山道を歩き、数日かけて移動しながら草を刈る重労働だ。面倒な作業を嫌がって経済資金(労働に参加しない代価として支払う金)として1日5000北朝鮮ウォンを払って、済ませる人も多い。

北朝鮮は肥料不足問題を解決し、酸性化された土地を改良するため、毎年多様な生産計画を立て住民を動員してきた。草堆肥生産のほかにも、腐植土1トン当り尿素肥料50キロを混ぜて作る肥料の生産、焼いた土で作る焼土生産、腐植土生産など、年がら年中堆肥の生産が続く。

    関連記事