最近平壌で起きた23階建て高層マンション崩壊事故は金正恩氏の住民住宅建設部門における「手抜き工事」が原因との指摘が多い。「人災」による予告された事故で、別の場所の高層マンションも崩壊の危険性をはらんでいるとの懸念が出ている。

今回崩壊した平壌市平川(ピョンチョン)区域のマンションは、金正日氏が指示し、金正恩氏が主導した「平壌10万戸住宅建設」地域の一部。「金氏一族」の治績事業すらまともに管理できないほどに建設能力が低いことを如実に表している。

脱北者らによると、今回の建設事業に動員された労働力は一般の建設労働者ではなく、人民保安部傘下の人民内務軍所属で専門の建設労働者ではない。また、建設に必要な鉄筋やセメント、資材などが適期に供給されず、供給されたとしても幹部らが資材を横流しするなどの不正腐敗が蔓延しており、予告されていた惨事との指摘だ。

平壌10万戸住宅建設事業は、金正日氏の指示により2002年から実施されてきた「平壌市現代化事業」の一環。2012年12月完工を目標に平壌市内の13の区域で2009年9月に同時に着手された。しかし北朝鮮は2011年から中区域内の万寿地区(倉田通り)建設を優先的に進め、他の建設現場に動員されていた軍人を倉田通りに集中させ、1年後の2012年に竣工式を開催するという前代未聞の成果(?)を収めた。

当時、デイリーNKの情報筋は、北朝鮮当局が平壌外郭地域の住宅建設において、工場企業所の労働者に施工を転嫁したと伝えている。その後、資材支援がまともに行われず住宅建設は難航、同事業が放置されるのではとの不満の声も提起されていた。

金正恩氏は政権就任後、「平壌10万戸住宅建設事業」と関連し「10万戸」という表現を公開の場で使用しないなど、特に関心を見せてこなかった。その代わり、最近は「衛星科学者通り住宅」などの特定職業を優待する建設事業にばかり没頭している。

高級幹部出身の脱北者はこの事故について次のように語った。

「金正恩氏が高位幹部に『贈り物政治』をするため、倉田通り建設などに集中するなどの無計画な事業を行い『責任転嫁』したことが今回の崩壊につながった

「今回の事故は誰よりも金正恩氏にその責任を追及しなければならない。倉田通りの住宅も1年で完工したため、北朝鮮式の『速度戦』の弊害から逃れられない。高強度セメントが使用される最高指導者の別荘を除き、北朝鮮の全ての建物はいつ崩壊してもおかしくない」と指摘した。

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