イランの最高指導者ハメネイ師が最近、米軍とイスラエル軍の空爆で死亡した中、このニュースが北朝鮮の中国との国境地域を中心に急速に広がっているという。
デイリーNKの咸鏡北道の消息筋は「最近、会寧市をはじめとする一部の国境地域で『米国がイランを攻撃し、指導者が殺害された』という話が瞬く間に広がっている」とし、「ただし事件の具体的な内情までは伝わっておらず、さまざまな憶測が飛び交っている」と伝えた。住民たちは多くの人が集まる場ではこの出来事を公然と語ることはできないが、ごく親しい少数の人々の間では「核を保有しているイランでさえ攻撃を受けた。我々の安全は大丈夫なのだろうか」といった言葉を、慎重に交わしているという。
周知のとおり、イランは核開発の途上にあり、核兵器の保有には至っていないとされている。この点、間接的に情報を得た北朝鮮の人々の間には、事実誤認があるようだ。
(参考記事:【写真】イランの「ドローン空母」無残に撃沈 北朝鮮“異形の兵器”は)
北朝鮮の国境地域では、中国の携帯電話を使って外部と連絡を取る人々を通じ、北朝鮮当局が詳しく知らせないニュースが比較的早く流入し、拡散する。北朝鮮当局は2日、国内でも読まれる労働新聞に、イラン攻撃を非難する外務省報道官の談話を掲載したが、ハメネイ師をはじめとするイラン首脳部の死亡については言及していない。
消息筋は「これまで住民の間では、核兵器を保有していればどんな攻撃にもびくともせず、米国もあえて手を出せないという認識が広く浸透していた」とし、「ところが自分たちと同じく核を持つ国でこうした事件が起きたというニュースが伝わり、少なからぬ衝撃を受けている」と語った。
さらに一部の住民の中には「いっそ我が国(北朝鮮)でも戦争が起きたほうがいい」といった極端な言葉を口にする者までいるという。ただし、これは実際に戦争を望んでいるというよりも、長引く経済難から生じた体制への不満の表れだと指摘されている。つまり、閉塞した現実への鬱憤を吐き出す意味合いが強いという。
消息筋は「『戦争が起きてほしい』という言葉は昔から、食べていくのが苦しい住民がつらい時に口にする一種の愚痴のようなものだった」とし、「最近は生活がさらに厳しくなったところにイランの出来事まで重なり、こうした言葉が再び出ているのだ」と語った。
