米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦で、同国海上戦力は短期間で壊滅的打撃を受け、ひときわ異彩を放っていた「ドローン空母」もあっけなく撃沈された。中東情勢の緊張が続く中、この戦闘は旧来型の兵器や即席の改造装備が、現代の統合戦力の前でどこまで通用するのかを改めて示した形だ。
米メディアなどによれば、作戦に参加した米軍部隊は精密誘導兵器や無人機、電子戦能力を組み合わせ、イランの艦艇や沿岸施設を短時間で無力化した。特に改造商船をベースにしたとされるドローン空母は防御能力が乏しく、攻撃開始から間もなく撃沈されたとされる。この事例は、北朝鮮の海軍戦力の未来を暗示しているようだ。金正恩総書記は近年、海軍力の強化を強く打ち出し、新型駆逐艦や潜水艦の建造を相次いで進めている。ロシアとの軍事協力を背景に技術の導入も進んでいるとみられるが、その多くは急造的な色彩が濃く、実戦での運用ノウハウも乏しいと指摘されている。
とりわけ注目されるのが、北朝鮮が建造を進めているとされる戦略原子力潜水艦だ。専門家の間では、巨大なミサイル発射区画を備えた「異形」とも言える設計で、艦体バランスや静粛性、生存性に疑問を呈する声が少なくない。潜水艦としての基本性能よりも、核ミサイル発射能力を優先した設計との見方もある。
(参考記事:【写真】「ひっくり返るしかない」金正恩”戦略原潜”の異形の姿)
一部の分析では、北朝鮮がこれらの艦艇を長期運用する戦力ではなく、核ミサイルを発射するための“使い捨てランチャー”として考えている可能性も指摘されている。しかし、米軍が今回示した圧倒的な対艦攻撃能力を踏まえれば、発射前に探知・破壊されるリスクは極めて高いのではないだろうか。
中東での戦闘は、軍事技術だけでなく運用経験や統合戦力の差が戦場の結果を決定づけることを浮き彫りにした。「外見上は新型兵器でも、運用体制が伴わなければ戦力とは言えない」というのは軍事専門家らの一致した指摘であり、北朝鮮が進める海軍近代化の実効性にも厳しい視線が向けられている。
