ロシアに学生ビザで入国した北朝鮮国籍者が、実際には工場や建設現場などの重労働に従事している実態が相次いで明らかになっている。北朝鮮とロシアの「教育協力」が、国連制裁を回避して北朝鮮労働力を供給する迂回ルートとして悪用されているとの疑念が国際社会で強まっている。
ロシア国営メディアのリア・ノーボスチなどによると、ロシア当局は近く、入国目的を「教育」と申告した北朝鮮人の相当数が、実際には各種現場で労働に従事している事実を把握したとされる。ロシア側の統計では、2024年に北朝鮮からロシアへ入国した人数は約1万3000人に上り、このうち約8000人が入国目的を「教育」と記載していた。同年に発給された北朝鮮向け学生ビザは8600件を超えている。
注目されるのは、ロシアが2025年1~3月期の北朝鮮入国者統計を公表した直後、関連データの公開を突如中断した点だ。これを受け、学生ビザを利用した北朝鮮労働者の「便法的入国」をロシア側が事実上黙認しているのではないかとの指摘が出ている。
韓国や米国の北朝鮮専門メディアは以前から、ロシアが学生ビザを通じて北朝鮮労働者を「研修生」や「留学生」に偽装就労させる仕組みを運用してきたと報じてきた。
(参考記事:「ロシアが助けてくれる」打ち砕かれた北朝鮮の希望…プーチンの裏切で「経済危機」も)
モスクワの大学がビザ発給を仲介する見返りに賄賂を受け取った疑惑や、ロシア・北朝鮮間の経済協力を監督する高官とつながる人材派遣業者が関与していたとの証言も伝えられている。
国際人権団体は、2024年時点で約1万5000人の北朝鮮住民がロシアで働いていると推計する。その多くが賃金未払い、強制的・搾取的な労働環境に置かれている可能性が高いという。海外での北朝鮮労働者の就労を禁じた国連安全保障理事会制裁の実効性が、根本から問われている形だ。
