朝鮮が日本の支配下にあった時代、1935年1月24日付の東亜日報の記事は、こんな一節から始まる。
神聖なる学園に、それも深夜に女学校の寄宿舎に刑事隊が塀を越えて侵入して、就寝中の女学生の部屋で荷物を捜索する事件が突発するや、世の中で物議を醸している。
京城女子商業学校の女性寄宿舎に、龍山警察署の刑事3人が学校関係者の了解も得ずに侵入し、女生徒の布団の中に潜り込んでまで家宅捜索をしたのだ。教務主任は「呆れる、あまりにもひどい」と警察の対応を批判し、保護者も「警察の脱線行動」として、憤慨していると記事は伝えた。
ちなみに容疑者の女生徒2人にかけられた容疑について、記事は触れていないが、同校は同盟休校(授業のボイコット)で有名だったことから、それに関連する事件の可能性が考えられる。
朝鮮では、儒教の解く「男女七歳にして席を同じゅうせず」という考えが今でも厳格に守られている。程度の差はあれ、北朝鮮でも韓国でも同じだ。日本でしばしば見られる、男子トイレや銭湯の男湯に女性清掃員が入ってくることや、一部の温泉で見られる混浴は、「理解に苦しむ日本文化」として語られることがある。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面もちろんそんな規範から派手に逸脱する若者も中にはいる。
(参考記事:「銭湯で男女入り乱れ」北朝鮮高校生らの禁断の行為)
付き合っている女子大生の住む女子寮に侵入した男子学生が当局に摘発されたと、平壌のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面事件が起きたのは今月10日の夜のことだ。平壌観光大学の男子学生が、同級生のカノジョと些細なことで口喧嘩となった。どのようなテーマだったのか、情報筋は触れていないが、結局彼が言い負かされてしまった。
どうしても怒りが収まらない彼は、あろうことか夜の9時に女子寮の1階に忍び込んだのだ。彼女を呼び出し、再び口喧嘩を始めた2人だったが、あまりの大声に寮に住んでいる女子大生全員が飛び出してきた。そんなことは全く意に介さず、むしろ女子大生を脅かすような発言をした。
2人は、警備員に止められるまで喧々諤々と言い争いを続けたという。
(参考記事:北朝鮮で「墓の場所」を巡り2家族が乱闘騒ぎ)人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面
報告を受けた大学当局は、2人と目撃者を呼び出して、事情聴取を行った。この事件を「厳重な事件」だと判断し、朝鮮労働党平壌市委員会の教育部に報告した。
「事件は女子寮というセンシティブな空間で発生しただけあって、非常に重く受け止められている。今後、同様の事件の再発を防ぐために徹底的に対処する」(大学当局)
男子学生に対する処分は下されていないが、退学を含めた強い処罰を求める声が上がっている。