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電力事情が劣悪で、ほとんど電気が供給されない地域もある北朝鮮だが、首都・平壌だけは別だ。平壌と東平壌の2つの火力発電所から電気が供給され、30号対象と呼ばれる、特権階級の住む市内中心部の住宅には、1日12時間以上電気が供給されている。

一方、410号対象と呼ばれる郊外では、地方よりはマシとはいえ、電力供給が円滑に行われているとは言い難い。金正恩総書記の命令で建設されたタワマン団地の松新(ソンシン)・松花(ソンファ)地区、和盛(ファソン)地区はいずれも郊外にあるが、停電が頻繁に起こっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平壌の情報筋によると、昨年に続き今年も和盛地区に新たな高層マンションが建てられた。情報筋もその一人で、30階建てのマンションの19階の部屋を割り当てられ現在居住している。

最新式のタワマンだが、運用面では旧態依然としている。

「和盛地区のマンションは20階建てから40階建てで、上下水道が設置されているが、水道水は朝6時から8時までしか供給されないため、家族全員でバケツに水を汲むのが一日の日課となっている」(情報筋)

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水道水は通常、電気で屋上などにあるポンプで汲み上げて、下の階への供給するため、電気が止まっていると水道が出ないのだろう。

「国家的な祝日には(1日中)電気が供給されるが、平日は午後6時から9時までしか供給されない」(情報筋)

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このため、夜にはエレベーターの前に長い行列ができるとのことだ。

「電気が来る前から並んでいる人々は、エレベーターに乗るために1時間待って膝が痛いという」(情報筋)

なお、エレベーターには管理員がいて、1台あたり8人以上乗らないように規制している。それ以上の人数には耐えられないのだろう。

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平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、そんな光景を目の当たりにして、「まるで食糧配給所のようだ」と表現した。

この情報筋は先月、和盛地区のタワマンの25階に住む親戚を尋ねたが、エレベーターに乗るのに5時間も待たされたという。見栄えはよく、様々な施設があるが、入居者は毎日不便を強いられている。特に10階以上にフロアに住む人からは「不便だ」との声が絶えない。このような理由から、北朝鮮で人気があり価格が高いのは、2階以上10階以下の低層階の部屋だ。

10階より下に住む人は、買い物に出ても階段で昇り降りできるが、それ以上の階に住む高齢者などはエレベーターの稼働時間まで待つしかない。

そのため、一部の人はこんな生活の知恵を発揮している。

「ベランダに滑車を設置して、食糧やおかずを引き上げている。しかし、平壌のマンションで米袋を引き上げている様子は首都の文明的なものではないとして規制され、それすらもこっそりやるしかない」(情報筋)