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高英姫の経歴は明らかになりつつあるが、金正恩偶像化の過程で北朝鮮当局は、高英姫の経歴を公にできず、隠蔽することが予想される。白頭の血統の後継者とする金正恩の生母は、日本生まれで日本人の名前まで持っていた。祖父は、日本陸軍の下で働いていたが、韓国との密航事業も行っていた。北の基準からすれば「最悪」になる。しかし、当時の在日朝鮮人では決して珍しいことではなく、このような経歴はなんら恥ずべきものではない。

在日朝鮮人帰国者は、北で生まれなかったという理由で「チェポ」と差別され、迫害と監視の中で生きなければならなかった。特に、北朝鮮体制に順応できなかった帰国者の多くは、政治犯収容所に連行されて命を失った。しかし、強調されるべきは、北朝鮮において「帰国者」の元祖こそ、金日成である。

金日成は14歳の時、父金亨と北を離れ、中国吉林省(吉林省)に移住した、いわゆる中国の朝鮮族の一人であり、1945年に解放されて初めて北に帰ってきた典型的な「在中帰国者」である。金正日もまた、ロシアで生まれで「ユーラ」とロシア風の名前まで持っていた。つまるところ北朝鮮のロイヤルファミリーは、すべて 「帰国者の血筋」になる。在露帰国者の金正日と在日帰国者の高英姫との間で生まれた一人が北朝鮮の最高指導者金正恩だ。これが、北朝鮮当局が偶像化する「白頭の血統」の内実である。