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北朝鮮の内閣農業委員会は今月3日、「全国が力を合わせて田植えと草取りを前倒しで終えよう」として、今月5日から25日まで農村支援総動員令をかけた。都市部に住む人々を大量動員して農村に送り込み、一気に田植えを終えようというものだ。

ところが、動員された人々は、田植えそっちのけで「昼飲み」に興じている。黄海南道(ファンヘナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

人々は夜明け前に家を出て、何時間も歩いて農村へと向かう。そして、午後まで田植えをみっちり行うスケジュールとなっているのだが、弁当箱に酒瓶を忍ばせて、昼食の時間になると昼飲みを始めてしまう。

朝鮮の農村では昔から「セチャム」と言って、仕事の手を休めて木陰に座り、軽い食事を取りつつマッコリを飲んで休憩していた。ところが、北朝鮮ではアルコール度数の高い酒が一般的であるため、仕事にならないほどグデングデンになってしまうのだ。

(参考記事:「神聖なるチュチェ思想塔」周辺でどんちゃん騒ぎの平壌市民

一部の機関、企業所は従業員を長期間農村に送り込むのだが、食べ物とともに酒も送る。昼間から飲み始める人、仕事を終えてから飲み始める人と様々だが、飲みすぎて翌朝、仕事に出てこれなかったり、午後の仕事をサボったりする。

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これを見かねた農場のイルクン(幹部)は、上部機関の黄海南道農村経理委員会に訴えた。委員会は動員された人や機関、企業所を強く批判した。

「昼食は田んぼで戦闘的に終え、すぐに田植えに復帰せよ」

そして、飲酒再発を防止し、非生産的・非効率的な行為を根絶するために、管理監督を強化。昼食時間の監視を徹底し、問題行動があれば厳しく取り締まる方針を示した。

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また、農村支援の目的を振り返り、より誠実に、より戦闘的な姿勢で仕事に取り組む環境づくりが大切だ、などと複数回強調した。

さらに、機関や企業所に対しては、酒を供給するのではなく、コメやおかずを増やし、従業員が農村支援に専念できるように思想教養事業(思想教育)を強化し、能率があがるようにせよと指示した。

皆で楽しめる娯楽の少ない北朝鮮では、何人か集まれば酒盛りが始まる。そして、酔ったうえでの暴力、舌禍など様々な問題を引き起こす。当局はこれを「スルプン」(酒風)と呼び、「社会主義の生活様式にそぐわない」として厳しく取り締まる。

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しかし、取り締まりと思想教育だけで「スルプン」がなくなるのならとっくの昔になくなっているはずだ。

朝鮮の農村では昔から「セチャム」と言って、仕事の手を休めて木陰に座り、軽い食事を取りつつマッコリを飲んで休憩していた。ところが、北朝鮮ではアルコール度数の高い酒が一般的であるため、仕事にならないほどグデングデンになってしまうのだ。

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