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かつて北朝鮮の市場では、売られている工場製の食品、生活必需品、化粧品、医薬品の多くが中国からの輸入品だった。国内製のものは質やデザインが悪かったり、価格が高かったりして、一部の商品を除いては人気があるとは言えなかった。

そんな中国製品がコロナ禍で徐々に消えていった。国境が封鎖されたからだ。そんな状態が去年まで続いていた。それが最近になってようやく出回るようになり、価格も下がった。しかし、消費者は購入に及び腰だ。平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

首都・平壌郊外の平城(ピョンソン)市場では、コロナ前に4000北朝鮮ウォン(約68円)で売られていた中国製の女性用ナプキンが、物量が減るに連れ徐々に価格が上昇し、ついには1万5000北朝鮮ウォン(約255円)を超えてしまった。ところが、最近になって再び下落傾向となり、今では7500北朝鮮ウォン(約127円)で売られている。

国内製のものはその半額で売られているが、質が良くないため、コロナ前から人気がなかった。反面、中国製は質は良いのだがあまり売れないという。

「国内製のナプキンは肌触りが悪く、動くときに安定せず吸収力も悪いので血が滴り落ちる。だから女性たちは比較的質の良い輸入品を好むが、価格が下がったと言ってもまだ負担が大きく買う人がほとんどいない」(情報筋)

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コロナ前は5人に3人は中国製を使っていた。国内製はガーゼのもので恥ずかしいとのイメージが持たれていたこともある。しかし、今は経済的に苦しい人が多くて中国製を使っている人は5人に1人ほどだという。

一方で、歯ブラシと歯磨き粉は国産のものが売れる。コロナ前には歯ブラシ1本600北朝鮮ウォン(約10円)から700北朝鮮ウォン(約12円)だったが、コロナ禍では1万北朝鮮ウォン(約170円)を超えてしまった。それが今では3000北朝鮮ウォン(約51円)まで下がった。それでも国内製の倍以上する。

「歯ブラシと歯磨き粉は質を問わず、比較的安い国内製が良く売れる。歯ブラシは毛がぐちゃぐちゃになるまで1年ほど使う」(情報筋)

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中国との国境に接する両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)の市場でも事情は同じで、経済的に負担が大きいため、消費者は仕方なく国内製を買っている。店には中国製の様々な女性向けの商品が並んでいるが、客は興味を見せつつも、価格を聞いて踵を返すという。

「国内製はいくら質が良くて安くてもイメージが悪いため買おうとせず、輸入品を好むが、経済難で買う経済力がなく、冷やかしで終わってしまう」(情報筋)

(参考記事:韓国製品を買ったら拷問…世界一厳しい北朝鮮の規制

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韓国製品は販売、所持とも禁止だが、コロナ前の北朝鮮では、ハイエンドユーザー向けとされ、密かに売られていた。しかし、今では買おうにも買えないだろう。

庶民は、中国のスーパーで二束三文で売られているものですら、手が出ないというのに、金正恩総書記やその家族、高級幹部はグッチ、フェラガモといった西欧の高級ブランドを大量購入している。

コロナ前、李雪主(リ・ソルチュ)夫人はファッションリーダー的存在だったが、それも経済的に余裕があってのことだ。日々の糧にも事欠く現状では、むしろ反感しか呼ばない。

(参考記事:「金正恩の娘は国産の服を着ろ」反発強める北朝鮮の若者たち