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北朝鮮では新年2日から、毎年恒例の「堆肥戦闘」が始まった。不足する化学肥料を補うために、人糞や家畜の糞を使って堆肥を作り、農場に納めるというものだ。

1人あたりに課された人糞集めのノルマは300キロから600キロに達する。今年からノルマ未達成の場合は、思想闘争舞台(吊し上げ)に上げられたり、ひどい場合には労働鍛錬隊(経犯罪者を収容する刑務所)に入れられたりするようになった。

そのため市場では人糞が金銭で取引され、町内の公衆トイレでは人糞を盗まれまいと夜通しで警備に当たるのだが、堆肥生産に動員された住民と協同農場の関係者の間でトラブルが起きている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

(参考記事:「臭い、汚い、キツい」人糞集めに熱心な北朝鮮国民、そのワケは?

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、朝鮮労働党恵山(ヘサン)市委員会と恵山市農村経理委員会は初級党書紀、機関のトップを集めた会議を20日の午前10時から恵山市映画館で開いた。

会議では、来月15日までの堆肥戦闘の進捗に関する総和(総括)が厳しく行われた模様だ。残りの日数を考えるとノルマの45%はできていなければならないが、未だに3割に満たない工場、企業所が多い。

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その理由として情報筋が示したのは、人糞の不足だ。

「誰もかれもが堆肥戦闘に動員されたため、人糞が底をついた。都市部の公衆トイレの利用者が減ったためだ」

動員で自宅を留守にして、協同農場のトイレで用を足すため、人糞の集まりが悪いのだという。

(参考記事:冬の北朝鮮で暗躍する「人糞ブローカー」登場

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家畜の糞を人糞の代わりに提出することも可能だが、人糞の3倍の量が求められる。ただ、都市部では家畜を飼うことが少なく、それも入手が困難だ。

別の情報筋によると、両江道農村経営利委員会は、人糞と家畜の糞を運んできた担当者に、協同農場内の指定の田畑まで運ぶよう指示を下す。人力では到底運べないため、トラックを利用するが、ガソリンは恵山市燃油供給所から必要な量しか供給されない。

しかし、ガソリンの量が不足してトラックが指定された場所まで人糞を運べず、「ここで降ろす」「いや、指定の場所まで持っていけ」とドライバーと農場関係者の間で口論となる。

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また、農場は人糞か家畜の糞かを厳密に区分して、堆肥生産確認書に量と種類を書き込むが、その記載を巡ってもトラブルとなる。

貴重な労働力とガソリンを使って人糞と家畜の糞を運んでいるにも関わらず、ノルマ達成率は17日の時点で37%にとどまっており、最悪の場合、工場や企業所の責任者、洞事務所長(末端の行政機関の長)が、吊し上げに遭う可能性も考えられる。

一連の「戦闘」による経済的損失を考えると、肥料の不足分は中国から輸入した方がよさそうなのだが、徹底した動員、リサイクルが当たり前になっている北朝鮮は、そのような発想から抜け出せないのだろう。

(参考記事:金正恩命令「火葬場でリサイクル」の実態に北朝鮮国民が驚愕