人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮にもネットショッピングサイトがあることはご存知だろうか。名前は「マンムルサン」。漢字で書くと「万物商」で、日本風に言えば「よろず屋」だ。実はこのサイト、日本からでもアクセスが可能だが、そちらは北朝鮮国内のイントラネットでアクセスできるサイトとは内容が異なる。

海外向けのサイトは単なる商品紹介にとどまり、購入はできないようになっている。もちろん、北朝鮮国内向けのサイトでは購入が可能だ。このサイトは数年前、中古品のページを開設したのだが、ユーザーがほとんどいない状況となっている。デイリーNK内部情報筋が伝えた。

このサイトは、中古品のやり取りを仲介するもので、フリーマーケットアプリの「メルカリ」の北朝鮮版ようなものだ。北朝鮮の英字紙・平壌タイムズは、このサイトが2021年に開設され、「使っていない製品、装備、資材に関する情報、それらの物品を合理的な方法で交換、取引したい工場、企業所、商業奉仕単位(サービス業)、個人についての情報が検索できる」と紹介している。

しかし、情報筋の周りではほとんど使っている人がいないという。システムに問題があるからだ。

「決済がうまく行かないので、アクセスした人はいても、実際に決済できた人はいない」(情報筋)

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮でのサイト上の決済は、デビットカード、QRコードのアプリなどが使用される。理由は不明だが、このページではうまくいかないようだ。また、これとは別のサイトでは、ネット決済で使われた個人情報の流出などの問題が起きている。

北朝鮮の最高人民会議常任委員会常務会議は今年7月、電子決済法修正案を採択した。これは法の施行から3年で見つかった様々な問題点を補うための改正だ。その問題点のひとつが個人情報の流出だと、別のデイリーNK内部情報筋は述べている。また、QRコード決済システムでエラーが多発し、決済ができない問題も起きていたが、ユーザーが安心して電子決済を使えるようにエラー修正のための技術改善事業を強化する方針だ。

(参考記事:北朝鮮の若者の間で普及が進むQRコード決済

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

このサイトは、もともとは海外用に作られたのではないかとの見方を情報筋は示している。海外に住む自国民に自国製品を販売するために開発されたが、新型コロナウイルスの世界的大流行で国境が閉鎖され、北朝鮮からの発送ができなくなったため、急きょ国内向けにしたというものだ。

だが、既に中古品の売買は市場で行われており、わざわざこのページを使うメリットは少ない。そもそも長く使える質の良い商品が少ないせいか、中古品に関心を持つ人も多くないとのことだ。

ちなみに、廃材などを使って製造した8.3製品と呼ばれるものは、粗悪品の代名詞となってしまっている。

(参考記事:金正恩命令「火葬場でリサイクル」の実態に北朝鮮国民が驚愕