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北朝鮮を長年に渡って苦しめ続ける電力難。降水量が少ないにもかかわらず水力発電に偏重した発電システム、燃料の不足、老朽化した発電・送電装備など、とてもすぐに解決できるものではない。

朝鮮労働党両江道(リャンガンド)委員会でも、電力問題が議題にあがったが、具体的な解決策には至らなかった。現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

朝鮮労働党両江道委員会(道党)は、今年上半期の人民経済(民生)の計画遂行(ノルマ達成)の総和(総括)において、両江道人民委員会(道庁)を主幹とし、電力部門のイルクン(幹部)を全員集めた上で、先月30日と今月1日の2日間、電力問題解決のための集中会議を開催させた。

初日の会議では「電力問題は、他のすべての経済部門にも致命的な結果をもたらす」として、上半期の電力生産現場での経験、教訓、現れた問題点について事細かく分析を行った。

道党と人民委員会は、道内の電力生産部門がなぜ「満稼働・満負荷」(フル稼働)できないのかの原因を探った。しかし、その答えとは「自力更生精神で頑張ることなく、あれが足りない、これが足りないと数十年間も無駄に過ごし、努力すらしなかったこと」だとして、批判した。

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(参考記事:老朽化した発電設備が爆発…人災を招く北朝鮮の「満稼働・満負荷」

また、老朽設備を交換するために奔走したり、上部にかけあって不足している資材を確保したりせず、現状ではどしようもないと考え「とりあえず現状維持さえできればいい」といった姿勢が、イルクンにそぐわないとの批判を加えた。

会議の2日目は、朝鮮労働党中央委員会第8期第8回総会での決定に基づき、道内の電力部門が下半期にいかに電力問題を解決するかについて話し合われた。

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三水(サムス)発電所などの大型の水力発電所、その他の中小型水力発電所は、コロナ禍でメンテナンスをきちんとできなかったことで、今後の補修計画を立てた。しかし、最も重要な老朽化した設備の交換については、輸入すべきものは一つや二つではなかったため、長時間の討論でも結論が出さなかった。

結局は「われわれ式に自力更生して電力生産において満稼働・満負荷をしなければならない」「電力生産において新たな核心の扉を開こう」という「事実上、無意味」(情報筋)だが、ある意味では行く着くところに行き着いた会議になった。

(参考記事:出ない水道、つかない電気…でも料金はちゃっかり徴収する北朝鮮