北朝鮮「首都市民の4割が飢餓状態」の衝撃情報

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北朝鮮の首都・平壌。「元帥様(金正恩総書記)のおわす革命の首都」だけあって、誰もが自由に住めるわけではない。成分(身分)がよく、忠誠心が高いと見なされた者だけが居住を許され、地方では考えられないほど豊かな暮らしが保証される。

とは言っても、あくまでも北朝鮮の中での話。地方と比べればくらかマシとは言え、平壌にも、食べ物が底をつき飢えに苦しむ「絶糧世帯」が存在する。そうした状況を受け、朝鮮労働党中央委員会第8期第6回総会で平壌市党(朝鮮労働党平壌市委員会)のトップである責任書記に選出された金秀吉(キム・スギル)氏は、食糧を配給するよう命じた。

現地のデイリーNK内部情報筋は、金秀吉氏の指示に基づき、今月3日から平壌市内の各区域(日本の区に相当)ごとに、絶糧世帯の実態調査を行っている。

平壌市党はこれに先立って、2日に市内の区域と郡の党委員会、人民委員会(区役所)のイルクン(幹部)を招集して会議を行った。金秀吉氏は、市内の絶糧世帯を徹底的に把握して、今月中旬までに10日分の食糧を配給するよう指示した。中でも子どもが2人以上いる世帯は、区域の党委員会が責任を持って食糧を優先的に配給せよと強調した。

市内の平川(ピョンチョン)区域の平川洞の人民班(町内会)に今月5日、区域の党委員会の担当者がやってきて、絶糧世帯を回り、釜の蓋を開けたり、どんなものを食べて暮らしているか質問したりするなど、具体的な調査を行った。

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この調査の結果、人民班に属する32世帯のうち、10世帯が絶糧世帯であることが判明した。

「平壌は表向き、飢えている人がいないように見えるが、10世帯のうち4世帯の割合で飢えに苦しんでいる」(情報筋)

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実は平壌市内にも、優遇されている市内中心部の11区域を指す「30号対象」と、それ以外の8区域と2郡を指す「410号対象」という区別があるのだが、前者に属する平川区域ですら絶糧世帯が続出しているのだ。

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逆に言うと、残りの「410号対象」はもちろんのこと、圧倒的に冷遇されている平壌以外の地方における食糧事情が、さらにひどいことは想像に難くない。実際、地方の中でも豊かな方に属する大都市で、裕福な暮らしをしていた人々が餓死するほどの状況が生じている。

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今回の食糧配給事業について情報筋は、「党が恩情と愛で常に人民の面倒を見ている」という認識を植え付け、動揺する民心をなだめる目的があるとの見方を示した。食糧配給に対する市民の期待は大きいが、本当に実行されるかは、配給が行われてからでなければわからないと付け加えた。

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資格を満たしていない市民を追放するなど「口減らし」を行った平壌市だが、300万人前後と推定される人口の4割に配給をするとなれば、膨大な量の食糧が必要となる。それが現実的に可能なのかはわからない。

(参考記事:金正恩が焦る平壌の食糧難…解決策は「市民追放」