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北朝鮮が北西部の平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)や、首都・平壌郊外の南浦(ナムポ)港を通じた貿易を限定的ながら再開する中で、中国との国境に接する他の地方における貿易の再開は遅れている。

地域経済を貿易に頼っていたこれらの地方は、極度の困窮に追い込まれていたが、ようやく明るい光が差し込みつつある。両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が、来年2月から貿易が再開されると伝えた。

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中央は先月末、恵山(ヘサン)税関に対して「防疫場の建設を承認する」との指示を下した。これは、輸入した貨物を消毒する施設で、新義州郊外には既に建設されている。

(参考記事:北朝鮮、輸入品を消毒する大規模防疫施設を増設へ

地元当局は、2020年下半期から防疫場の建設を進めようとしてきたが、中央の承認が降りず、ペンディング状態にあった。今回の承認を受けて、資材と労働力を総動員して、防疫場の建設を進めている。

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合法・非合法の貿易に依存して暮らしてきた恵山市民は、これに期待感を示している。

「税関が開かれるという話を聞き、ようやく息ができるようになった。防疫場が建設されるのを見ると、税関が開かれることが実感できる。国が個人貿易を取り締まり、密輸を防ごうとしても、一度税関が開かれれば、どこかに必ず穴ができると確信している。金儲けの道が開かれることを心待ちにしている」(恵山市民)

ただ、2年以上も苦しめられ、実際に再開されるのを自分で見るまで信じないという人もいる。

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税関が再開されるという期待感から、中国人民元のブラックレートは、1元(約20円)が900北朝鮮ウォン台にとどまっていたのが、1000北朝鮮ウォンを突破した。

なお、現地の貿易会社に対し、中央は積極的に貿易許可を出すようになっている。

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一方、北朝鮮の東端、元汀里(ウォンジョンリ)税関でも再開の動きが察知されている。

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別のデイリーNK内部情報筋によると、出入国を管理する国家保衛省(秘密警察)と元汀里税関技術管理部は、税関の建物の中の検査場に、国産の新型設備を設置する作業を進めている。これは、出入国者の個人情報や持ち物などを、中央がオンラインで一元管理できるようにするもので、金日成総合大学先端科学研究院の情報技術研究所、通信産業研究所が合同で開発したものだ。

税関の行政細則には、このシステムの導入が明記されており、税関職員はその使い方を習得すべしと書かれているとのことだ。

一連の作業は来年の1月末までに終えよとの指示が下されており、まもなく国境が開かれるとして、税関職員やその家族は元気よく働くようになったという。