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北朝鮮国防省は先月末、軍需工場に砲弾の追加生産の指示を下した。ウクライナへの侵略戦争を行っているロシアへの輸出用の可能性がある。

デイリーNK編集部の取材によると、命令が下されたのは、慈江道(チャガンド)の江界(カンゲ)トラクター総合工場と、満浦(マンポ)将子江(チャンジャガン)工作機械工場。いずれも北朝鮮を代表する砲弾と弾頭の生産工場だ。手榴弾、航空爆弾、高射砲弾など、様々な弾薬の生産が命じられた。

北朝鮮では毎年12月に年末総和(総括、決算)が行われるため、10月末から12月までは、計画(ノルマ)を達成するために生産が行われる。そんなところに、新たな生産指示が下されるのは極めて異例のことだという。

また、砲弾を生産してもすぐに使用するわけではないため、半分完成させた状態で保管しておき、有事が発生すれば完成品にするが、今回は最初から完成品を作れとの指示が下された。さらに、一般的な最終工程は、弾薬生産後に湿度維持のために防湿作業を行うが、今回は省略することになっているというのが、デイリーNK内部情報筋の説明だ。

急な生産指示に人手が足りず、勤務経験のある人を3〜4ヶ月の期間で再雇用するほどだという。工場内では「長期保管するための砲弾ではないようだ」という話が飛び交っているという。

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北朝鮮国防省は今年9月と今月、「ロシアに兵器や弾薬を輸出したことはなく、今後もそのようにする計画もない」との内容の談話を発表している。また、ロシア政府も今月9日、北朝鮮がロシアに武器を供給しているとの報道を否定している。

(参考記事:北朝鮮、ロシアとの「兵器取引説」を改めて否定

しかし、米国は、北朝鮮がロシアに武器輸出を行っていることを示す情報があるとしている。北朝鮮はまた、武器以外にも、現在ロシアが占領しているウクライナ東部のドンバス地域に、自国の労働者を送り込む予定だと伝えられている。

(参考記事:北朝鮮、ウクライナ東部派遣の人員選抜を開始