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北朝鮮の国営朝鮮中央テレビは、今月16日の20時半から1時間40分にわたって、朝鮮記録映画「人民のオボイ」を放送した。オボイとは親を指す文語的表現で、かつて金日成主席を呼ぶ際の枕詞として使われていた。この記録映画(ドキュメンタリー)は、農業と漁業、教育、コロナ対策に力を入れる金正恩総書記と「人民のオボイ」だと持ち上げるものだった。

この手のプロパガンダ番組は、何度も繰り返し再放送するのが北朝鮮では一般的で、全国民がひとり残さず見られるように、様々な「配慮」が行われる。だが、実際に番組を見た人の間からは、細かいツッコミと批判の声が浴びせかけられていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋によると、現在長期間の停電が続いている新義州(シニジュ)市内に、今月22日午後7時から2時間、電気が供給された。ちょうどその時間に再放送される「人民のオボイ」が視聴できるようにと、市当局が取った措置によるものだ。(⇒動画:「人民のオボイ」で各種報告書が映る箇所

(参考記事:北朝鮮の一部都市で1カ月以上も停電続く

番組では、金正恩氏が批准した食糧状況改善に関する数多くの分析資料と対策報告書のタイトルが公開された。視聴者は非常に細かいところまで見ていたようで、こんなタイトルの報告書に目が止まったようだ。

草を食べる家畜を育て、チーズとバターを生産する模範農場を建設する位置を選定する状況と対策案

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ナマズの養殖、養鶏、カイコの生産など至極まともなものも多く放映されたが、その中で、この報告書に目に止めた市民は怒りをあらわにしている。極めて深刻な食糧難に苦しむ北朝鮮の人々の目には、チーズやバター生産工場の建設は的外れなものに映ったようだ。

(動画:「人民のオボイ」で各種報告書が映る箇所