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韓国南部に甚大な被害を発生させた台風11号(ヒンナムノ)。北朝鮮からも、被害の状況が一部伝えられているが、その全容は未だわかっていない。

さほど深刻な被害のなかった韓国の首都ソウルからほど近い、北朝鮮の黄海南道(ファンヘナムド)でも被害が発生していると、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

(参考記事:台風11号、北朝鮮でも被害多数、根本原因は防災インフラの不在

黄海南道に駐屯する朝鮮人民軍第4軍団の教導師団では、大雨と強風で武器庫が倒壊し、数百もの武器が破損する被害が発生した。被害の詳細は明らかになっていないものの、主力となっているAK-47系列の58年式自動小銃や、63年式、76年式機関銃などを保管していた武器庫だった可能性が高いと見られている。

なお、教導師団は民間人からなる部隊だが、正規軍に準ずる編制と武器を備えている。しかし、武器管理や武器庫の強度が多少低いというのが情報筋の話だ。これら教導師団の武器庫はほとんどが老朽化し、強風で屋根が飛ばされる被害が頻繁に発生している。

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実際、この師団の武器庫も、老朽化した壁に雨水が染み込んで倒壊したか、強風で屋根が飛ばされた可能性が高いと情報筋は見ており、国が自然災害による被害を防げと繰り返し強調していたこともあり、師団の責任者は処罰を免れないだろうとのことだ。

ちなみに今回の被害は、黄海南道から遠く離れた両江道の国境警備隊第25旅団に人民軍総参謀部から下された、「台風11号に備え、戦闘技術機材の保護に万全を期すことについて」という指示文に、記載されていたことで知れ渡った。

第25旅団では、隷下の連隊と大隊に対して武器庫、弾薬庫の状態を再点検して、被害が発生しないように指示を下した。正規軍の場合でも、武器庫の老朽化が進んでいるが、補修に必要な資材や資金は、国から一切支給されない。

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現場の兵士からは「強風が吹いて大雨が降るだけでも些細な事故がすぐに起きるというのに、一体(対策を)どうすればいいのか」と困惑の声が上がっているとのことだ。

そんな中で、台風12号(ムイファ)が発生した。15日から16日にかけて、朝鮮半島を横断し、日本海へ抜けるとの予報もあり、災害に非常に脆弱な、北朝鮮への被害が懸念されている。

(参考記事:北朝鮮の炭鉱が大雨で坑道浸水、発電所にも影響