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台風11号(ヒンナムノ)は、6日午前5時前、韓国の釜山の南西に隣接する巨済島(コジェド)に上陸、2時間あまりで蔚山(ウルサン)付近から日本海へと抜けた。古都の慶州(キョンジュ)、工業都市の浦項(ポハン)を中心に被害が発生したが、遠く離れた北朝鮮も被害を免れなかった。

デイリーNK内部情報筋が伝えたところによると、韓国との軍事境界線に接する江原道(カンウォンド)の金剛(クムガン)郡では6日早朝、大雨で民家が浸水、強風で屋根が吹き飛び、電柱や街路樹が倒れるなどの被害が発生した。

また、隣接する高城(コソン)郡の旧邑里(クウムリ)、高峰里(コボンリ)では、強風と大雨で民家30戸が崩壊または浸水し、長浦里(チャンポリ)と三日浦里(サミルポリ)では床上浸水で、家財道具が流され、中には基礎だけ残して流された家もあるとのことだ。

さらに、金化(キムファ)郡では、4日から降り続けた大雨で10戸の民家が浸水、生け垣や倉庫が跡形もなく吹き飛ばされ、数十ヘクタールの農地が浸水し、収穫は絶望的になった。

昌道(チャンド)郡でも、農家の屋根や街路樹が吹き飛び、農場の脱穀場と宣伝ポスターの掲示場が跡形もなく破壊されるなどの被害が出た。

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朝鮮中央テレビ、労働新聞など国営メディアでは、数日前から台風に備え、被害を防止せよと強調していたが、情報筋によると、江原道は他の地域に比べて全般的にインフラ整備が遅れており、水路の浚渫以外に対応策がなく、為す術もなくやられてしまったとのことだ。

江原道当局は、各地域の被害調査に乗り出したが、今のところ、被害の全容は明らかになっていない。ちなみに同じ江原道でも、韓国側では被害の報告は入っていない。

北朝鮮は全般的に防災インフラの整備が非常に遅れており、自然災害に対して、その場しのぎの対策しかできないのが現状だ。

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(参考記事:防災インフラの不在で被害拡大…北朝鮮政府の「無策」と「丸投げ」

2020年には、梅雨の長雨が続いた上に、4号(ハグピット)、8号(バービー)、9号(メイサーク)、10月(ハイシェン)の4つの台風が上陸または影響し、各地で甚大な被害が発生した。

当局は大量の人員を現場に投入、復旧作業に当たらせた。しかし災害に脆弱な場所であっても、住民を移転させるのではなく、元の地域に家を再建するだけなので、何度も被害が繰り返される。また、住宅の質も悪く、被災者からは不満の声が上がっている。

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北朝鮮は、国民の生命と財産を守る防災インフラの整備に興味がないようで、平壌総合病院、5万戸住宅建設など、派手なハコモノ建設ばかり繰り返している。

(参考記事:「とても住めない」金正恩印の復興住宅、国民から苦情殺到