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北朝鮮の金正恩総書記は、10日の全国非常防疫総括会議で、「領内に流入した新型コロナウイルスを撲滅し、人民の生命と健康を保護するための最大非常防疫戦で勝利」したと、「ゼロコロナ」を達成したと主張した。

その直前に、地ならしとも言うべき措置が行われていた。国境沿いの地域で今月初め、コロナ対策としての移動制限が緩和されたと、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

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ただ、国家非常防疫司令部は25日、朝鮮中央通信を通じて、道内で発熱患者4人が発生したことを発表。発生地域は封鎖されていると見られ、道内一帯での今後の動きが気になるところだ。

今月初め、道庁所在地の恵山(ヘサン)市の住民に対して、人民班長(町内会長)、地域担当の安全員(警察官)、保衛員(秘密警察)のハンコが押された確認書があれば、移動が可能になるとの布置(布告)が下された。

一時期は外出も禁止されるほどの厳しい措置が取られていたが、経済活動がストップ、餓死者も続出したことから、市や郡の内部での移動はできるように規制が緩和されていた。この布告により、道内の他の市、郡、中でも国境と接していない地域への移動がかなり容易になった。

(参考記事:北朝鮮、全国的なロックダウンを全面解除…米メディア報道

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ただしその逆、つまり道内でも国境に接していない地域から、国境に接した地域への移動は依然として厳しく制限されている。これは、生活苦からの脱北を未然に防ぐための措置と思われる。

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また、厳しい移動制限により従前の流通網が破壊されてしまい、未だに回復に至っていないと、現地の別の情報筋は伝えている。

(参考記事:地域の流通網を破壊してしまった北朝鮮のコロナ対策

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一方、金正恩氏の対コロナ勝利宣言は、中国との貿易をコロナ前の水準の戻すためのものとの見方がある。

デイリーNKの中国の情報筋は、貿易再開が遅れたことで経済状況のさらなる悪化が続く北朝鮮だが、もはや新たな発熱患者は発生していないとして、コロナ収束を宣言したのは、中国との貿易再開に向けたものと思われると述べた。ただ、北朝鮮と中国の間で先月、複数回にわたって貿易再開に関する議論が行われたが、コロナ問題で合意には至らなかったとも伝えた。