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北朝鮮が、国内での新型コロナウイルス感染者発生を公式に認める約2週間前の今年5月1日、首都・平壌では、朝鮮人民革命軍創建90周年記念の軍事パレードが行われた。金正恩総書記は、そのサポートを行った平壌商業大学の学生たちと記念写真を撮った。

その後、学生の中にコロナの感染者がいたことが判明し、大騒ぎとなった。

(参考記事:金正恩氏がコロナ感染者と濃厚接触した可能性

最高指導者の身辺の安全は、北朝鮮において何よりも優先されること。現場の責任者らは、金正恩氏を感染者との濃厚接触のリスクに晒した責任を追及され、管理所(政治犯収容所)送りとなったが、その数はなんと450人に及ぶ。平壌のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

北朝鮮が、国内でのコロナ感染者発生を公式に認めた5月12日の前後に、平壌と地方の1号(金正恩氏)身辺警護の関係者、具体的には国防省10処の責任幹部やその家族らが、国家保衛省(秘密警察)に一斉に緊急逮捕された。その容疑は「撮影会場で発熱者を適時にフィルタリングできなかった」「保衛に問題を起こし革命の首脳部の身辺の安全に重大なリスクを作り出した反革命的行為」(情報筋)というもの。

捜査は、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)保衛局、中央検察所、最高裁判所も含めて合同で行ったが、まともな裁判を受けることもないまま、管理所へと送られた。

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「彼らが再び社会に戻る可能性は全く見えない」(情報筋)

つまり、管理所の中でも、釈放が全く認められない、国家保衛省が管轄する管理所の完全統制区域に送られたということだ。

(参考記事:男たちは真夜中に一家を襲った…北朝鮮の「収容所送り」はこうして行われる

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彼ら以外にも、記念撮影を関連して噂話を流したとして、複数の人が連行された。その噂とは、次のようなものだ。

「元帥様(金正恩氏)を迎えて記念撮影をするのに、カメラマンが咳をした」
「熱があったが風邪だと考えて行事に参加した」
「元帥様と肌が触れ合うほどぎっしり立って写真を撮ったが、一瞬のうちにコロナが広がった」

ただ、噂話をした者の中で、航空機パイロット、連絡所(スパイ関連部署)要員、英雄称号の保持者、1号接見者(最高指導者に会ったことのある人)など、土台(身分)のよい者は処罰の対象からは除外された。

(参考記事:【徹底解説】北朝鮮の身分制度「出身成分」「社会成分」「階層」

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今回の事件について知っている人は、下手に口を滑らすと火の粉をかぶるかもしれないと恐れ、息を潜めている。

「今回連行された450人は、多い数ではないという話もあるが、周辺の人々は火の粉が飛んでくるかもしれないと不安がり、無言を貫いている」(情報筋)

保衛部は住民に対して、今回連行された人々について、見ても見ぬふり、聞いても聞かなかったふりをして、記憶から消し去れと警告している。