北朝鮮の女性たちが、自身の望む職場や仕事の楽な部署への配置換えと引き換えに「性接待」を強いられているとする研究報告書が出た。

イム・スニ統一研究院先任研究委員は9日、西大門区グランドヒルトンホテルで開かれた統一研究員主催の人権フォーラムで「北朝鮮では職業および職場選択の自由はないが、女性らがより良い職場、楽な部署に行くことを望む場合、党の幹部や職場の上司に性接待を行う場合がある」と明かした。

イム研究委員は「北朝鮮の女性たちにも好む職業、配置されたいと思う職場がある。党幹部や職場の上司は、こういった女性達を狙って、昇進または入党をエサに性的代価を要求することもある」と付け加えた。

幼い少女に「産婦人科検査」

また「北朝鮮社会において女性に対する性暴力は問題視されておらず、全般的な社会の雰囲気のせいで女性達は男性達の性暴力を受け入れるしかない状況である。職場内で性的暴行の事実が明らかになった場合は、むしろ被害者である女性が侮辱されたり不利益を受けることがあるので、女性は沈黙するしかない」と言った。

イム研究委員は「北朝鮮女性に対する性的暴行は、食糧難の悪化で女性達が家族扶養を受け持つようになって以降よりひどくなっている。市場で鉢合わせた(取り締まり)安全員、列車乗務安全員、軍人などが取り締まりを理由に性的暴行を働く事例が多い」と伝えた。

チャン・ヘギョン韓国女性政策研究院先任研究員も「女性の場合、特定分野では職場に入る過程で性的な人権侵害が起こっている。ある脱北女性の証言によると、人民保安省傘下の病院における看護士の募集過程で、少女に対して必要のない産婦人科検査までする」と伝えた。

チャン研究委員は「特に堕胎手術は国家が放任している状態で公然と行われており、重要なことは、堕胎が盛行している原因が、個人的な選択の次元ではなく、権力を利用した性暴力と性接待、夫の生計責任回避など、より国家的な流れの中で行われているということだ」と指摘した。

「離婚」を恐れる夫たち

また、報告書によると、北朝鮮女性への経済的依存度が高くなるにしたがって女性の地位が向上しており、伝統的な家父長的家庭生活が変化しているという。

イム研究院は「家族単位で生計問題を解決していくにつれて、世帯主中心の家庭生活に目に見える変化が起こっている。食糧難の深刻化によって、夫が商売、炊事、掃除をするなど、家父長的弱化が起こっている」と分析した。

続けて「家父長権が揺らぎはじめた時は食糧難、経済難が原因だった、食糧難で女性たちが家族の生計維持を受け持つようになってから、これまで家長として絶対的な地位を享受してきた世帯主達の態度が変わってきている」と付け加えた。

イム研究委員は「食糧難以降、夫の経済的な無能力と家庭内暴力を理由に女性たちが離婚を提起する事例が増えている。こういった理由で(夫は)自身に起こるかもしれない有事(離婚)を憂慮して妻に積極的に配慮している」と言った。

同時に「女性たちが家族の生計を維持していくにつれて、経済力を持った彼女らの発言権がより強くなっており、北朝鮮社会で女性に対する意識が少しずつ変わっている。北朝鮮住民達が韓国ドラマや映画、また中国を行き来して見聞きした女性の地位及び役割にしたがって、認識の変化が加速している」と強調した。

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