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北朝鮮が、首都・平壌で進めている住宅建設プロジェクト「平壌市5万世帯住宅建設構想」の一つとして、建設が行われている和盛(ファソン)地区。

金日成主席、金正日総書記の亡骸が葬られている錦繍山(クムスサン)太陽宮殿に近く、政治的な意味でも「超一等地」に当たる。この地域の住宅への入居を狙う人々が、早速動き出している。平壌のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

(参考記事:最新住宅+「上級市民」への昇格チャンス…狂喜乱舞する平壌市民

数万世帯の住宅と公共の建物が建設されている和盛地区だが、新たに市場も開設されると見られており、ビジネスの点からも期待が大きいという。また、建物も質がよく、構造も強固で、設備も現代的だと言われている点も評価のポイントだ。

前回、別の情報筋が伝えた情報によると、平壌に居住しつつも居住許可を持っていない人に優先的にこの地域の住宅が与えられるとのことだったが、それ以外にも分譲されるようだ。

入居者に選ばれるためには、初期投資金として1500ドル(約19万円)を支払い、今後決められる期日までに2次投資金6500ドル(約82万3000円)を遅滞なく支払わなければならない。そして完成後には、地域の住宅価格と照らし合わせて、相場の半分程度の金額を残金として支払うという。

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数年前には、平壌市内中心部の40坪の高級マンションが20万ドル(約2532万円)で取り引きされていたが、供給過剰とコロナ鎖国などの影響ででかなり値を下げたと言われている。トンジュ(金主、新興富裕層)にとっては、転売すれば数万ドルのカネが転がり込んでくるという、またとない儲け話だ。

(参考記事:新たな「金正恩住宅」の建設に沸く北朝鮮のニューリッチ

また、数万ドルは払えないにしても、それなりに余裕のある人は、関連部門の担当者にワイロを掴ませて、なんとしてでも入居者リストに載せてもらおうとしている。平壌市民の間では最近、和盛地区の話でもちきりとのことことだが、ほとんどの人にとっては絵に描いた餅だろう。

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これが、「住宅は国からタダでもらえる」ことになっている国の実情だ。