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北朝鮮の兵役期間は、昨年から短縮されたとはいえ、依然として世界最長の男性7〜8年、女性5年だ。また、兵舎などの施設は劣悪で、食事もまともに出されず、栄養失調などの病気が蔓延している。

勤め上げれば、朝鮮労働党や大学に入るための推薦がもらえるメリットはあるものの、デメリットが非常に大きいため、できる限り軍に入ることを避けようとする風潮がある。だが、最近に入って変化が生じている。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

(参考記事:結核や栄養失調で欠員3割…お粗末な北朝鮮軍の冬季訓練

清津(チョンジン)市内の高級中学校の卒業生の間では、軍入隊の人気が高まり、大学や専門学校入学の推薦を受けられなかった生徒たちは、軍に入るために様々な努力をしている。理由は「嘆願事業」を避けるためだ。

嘆願事業とは、環境の悪さなどが誰も行きたがらず、労働力不足が深刻な農村・炭鉱などへ配置されることを意味する。表向きは自ら配置を「嘆願」する体裁を取っているが、実際は強制だ。最近に至っては「嘆願」の体裁さえなくなり、自動的に農村や炭鉱に送り込まれるケースもあるようだ。

言うまでもなく、若者からは超絶不人気の政策である。一度、農村や炭鉱に配属になれば、北朝鮮の戸籍制度上、一生そこで暮らさなければならなくなる。

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相対的に豊かな都会を出て、革命化(流刑)の行き先になっているような農村や炭鉱に行き、一生を縛り付けられるのは、なんとかして避けたいところだ。だからといって、行くのを拒否すれば、政治的に問題があるとみなされてしまう。

当局は、都市と農村の格差をなくなければならないと叫んではいるものの、ごく一部の例外を除けば、それが実現することはないだろう。

(参考記事:「絶対に行きたくない」北朝鮮の若者ら、金正恩政権の重要命令を拒否

そんな中で、若者たちが「まだマシ」として選んだのが軍入隊というわけだ。

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条件の良い部隊に行くためには、それなりの額のワイロが必要になるから、多くの若者は、これまた誰も行きたがらないような山奥にある部隊に送り込まれることになる。また栄養失調などで命を落とすリスクもあるが、兵役を務め上げ、運悪く「嘆願事業」同様に農村・炭鉱に送り込まれる「集団配置」にひっかかりさえしなければ、元の都会に戻ることができるのだ。

地方政府の軍事動員部(兵役を司る部署)の前には、軍入隊を希望する若者が列をなしている。また、かつては息子を軍に入れまいと努力していた親たちも、今では逆に軍に入れようと努力しているとのことだ。

(参考記事:軍の配属をめぐりワイロが飛び交う春の北朝鮮

農村・炭鉱に一生縛り付けられるという最悪な事態を避けるために、セカンドベストならぬセカンドワーストな選択をする北朝鮮の若者たち。ほんのわずかであっても、自分の未来は自分で切り開ける部分を掴もうとする生存戦略なのだ。

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