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4月の北朝鮮は、若者たちにとっては朝鮮人民軍(北朝鮮軍)への入隊の時期だ。子を軍に送り出す親にとっては気が気でないだろう。生活環境も食糧事情も極めて悪く、入隊して栄養失調にかかる兵士が少なくないからだ。少しでも環境のいいところに行かせたいという親心につけこんで、ワイロが飛び交う事態となっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、今月になって始まった招募生(新兵)募集で、兵役関連の人事を司る軍事動員部が、軍に送り出す子を持つ親にワイロを要求する事例が増えていると伝えた。ただ、その額が大きく、親たちは「とても出せない」と頭を抱えているという。

清津(チョンジン)市水南(スナム)区域に住むある人は、軍に入隊する息子を少しでも楽な部隊に配属させようと、知り合いの軍事動員部に頼み込んだところ、少なくとも300ドル(約3万8000円)のワイロが必要だと言われたという。古くからの知り合いでも300ドルも要求されるのを見ると、全くコネのない人ならどれほどふっかけられるかわからないと情報筋は述べた。

また、青岩(チョンアム)区域に住むある人は、咸鏡北道軍事動員部の幹部に、息子を平壌の衛戍警務部(憲兵隊)に配属させる見返りに、500ドル(約6万3000円)のワイロを支払ったという。地方住民がめったに行けない平壌の部隊に配属されたことがよほど誇らしいのか、あちこちで自慢しているとのことだ。

(参考記事:北朝鮮の兵役は10年間 軍人が行きたがる「人気部隊ランキング」

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このように軍入隊を巡ってワイロが飛び交う背景について、情報筋は少子化を挙げた。今の北朝鮮では子どもを産んでも1人が当たり前で、多くても2人。大切な子どもを、環境の悪い部隊に送り出して栄養失調などで死なせでもしたら大変だ。軍事動員部の幹部は、そんな親心を利用して、楽な部隊への配属の見返りに高額のワイロを要求しているのだ。

(参考記事:結核や栄養失調で欠員3割…お粗末な北朝鮮軍の冬季訓練

平安北道(ピョンアンブクト)東林(トンリム)郡の情報筋によると、邑(郡の中心地)に住むある人は、息子を楽なところに送ってやってほしいと軍事動員部の幹部に頼んだが、要求された300ドルのワイロを調達できず、息子は、軍事境界線に接する過酷な環境の第1軍団に行かされたという。

東林は農業中心の貧しい地域で、住民のほとんどが平凡な農民。数百ドルものワイロを調達する術を持っていないのだ。コネもカネもない貧しい人々が割を食うのが、拝金主義社会北朝鮮の現実だ。

(参考記事:一人息子のために軍幹部に巨額のワイロを送る北朝鮮の親心

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