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朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士にとって、冬はつらい季節だ。刺すような寒さの中で冬季訓練が行われるからだ。それも、毎年12月から翌年3月末までという超ロングバージョンだ。

朝鮮人民軍は、国防だけにとどまらず、金正恩党委員長が指示したリゾート地やダムなどの建設、一般の住宅建設、道路工事、災害復旧に至るまで、様々な力仕事を任される「国営なんでも屋」の様相を呈しているが、この冬季訓練期間中だけは、仕事の手を止めて、部隊に復帰し、少なくとも最初の2週間は訓練に参加しなければならない。

ただ、大きな問題がある。補給だ。朝鮮人民軍の食糧は、協同農場での収穫に依存しているが、輸送過程で横流し、ネコババされ、兵士の食卓に上がるころにはすっかり目減りしている。まともな食事にありつけないままで訓練に参加させられた兵士は、民家に押し入って食べ物を強奪するなど、各地で問題を起こしている。

(参考記事:冬季訓練は略奪戦争…「軍人、住民に暴行殺害も」

コロナ禍の真っ只中にある今年だが、それでも例年通り冬季訓練が行われる。しかし軍の内部調査で、そのお粗末な実態が明らかになったと、江原道(カンウォンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えている。

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朝鮮人民軍総参謀部で訓練の執行を担当する作戦訓練9処は先月24日、全軍に対して、配属されている人員のうち、実際にどれくらいが訓練に参加できるかを部隊別に集計して報告するよう指示を下した。

東海岸の韓国との軍事境界線近くに駐屯する第1軍団第2師団の参謀部が報告した数字は、訓練に参加可能なのは全体の65%に過ぎないというのだ。

一例を挙げると、ある中隊は兵士100人のうち、結核、脳膜炎、肝炎で入院中の者が6人、栄養失調で師団の保養所で治療中の者が6人、脱営(脱走)者4人、特異な症状、呼吸困難など新型コロナウイルス感染の疑いで隔離されている者が9人の合計25人が訓練に参加できない状況だという。師団全体で65%しか訓練に参加できないというからには、これよりさらにひどい隊があるということだ。

(参考記事:「こんな死に方はイヤ」北朝鮮軍が緊張…5人餓死の異常事態

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報告を受けた訓練部は当惑し、人員不足で武器や装備の管理すらまともにできないのではないかと懸念している。

総参謀部からは、今回の冬季訓練の参加率で各部隊の戦闘準備状態を評価すると伝えられているだけに、第1軍団の指揮部は大慌てになっている。そして、「栄養失調患者は退院させよ」「参加率9割以上を保て」との指示を下した。さらには「脱走兵は今月10日まで部隊に復帰しなければ、軍法で裁く」との警告を、家族や地元の党委員会に送った。ただし、コロナに感染した疑いのある患者だけは除外したとのことだ。

立っているのがやっとであろう病人を、とりあえずの数合わせのために無理やり連れてくる。形にこだわり、内面を重視しない北朝鮮の病弊とも言える状況がまた繰り返されている。

(参考記事:体はボロボロで家庭も崩壊…北朝鮮「負傷兵」たちの悲惨な末路

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