「戦争ごっこだ」金正恩のミサイル発射に国内から強い批判

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北朝鮮国民は、自国の行う核実験、ミサイル実験には否定的な反応を示すことが多い。実験の巨額の予算を投入するなら、経済難、食糧難をどうにかしてくれと言ったものだ。

北朝鮮は国内メディアを通じ、24日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」の発射を行ったと発表したが、案の定、国内ではこれを非難する声が上がっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平安北道(ピョンアンブクト)龍川(リョンチョン)郡の幹部は、携帯電話の労働新聞アプリで最高尊厳(金正恩総書記)がミサイル発射を断行せよとの命令を下したの記事を読み、彼が本当に人民の指導者なのかと疑念を覚えたと述べた。

また、「現在、協同農場では農作業の準備に必要な肥料や資材がなく農民たちが苦労しているが、外貨を使ってミサイルを新たに開発し、それを飛ばしたことで満足するのが人民のための指導者のあるべき姿か」と批判した。

もちろん、こうした批判を公然と口にして発覚したらとんでもない罰を受けることになるが、それでも黙っていられず、仲間内で語り合う空気があるということだろう。

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当局は農業生産を増やして食糧問題を解決しなければならないと力説しつつも、協同農場には一銭の予算支援もなく、核とミサイル開発に外貨を投入し、連日ミサイルを撃ち続けていることに対して、「農場の幹部の間でも不満が溜まっている」とも伝えた。

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平安北道定州(チョンジュ)市の情報筋は、当局が、電柱に付けられたスピーカーから流れる第3放送(国内向けの有線ラジオ放送)を通じて、最高尊厳が米国との長期的な対決戦に抗えるICBM発射を直接指導したと宣伝していると伝えた。

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それを聞いた住民の間からは、「子どもが戦争ごっこをするように、今年に入ってから13回もミサイルを発射しているのが、何の自慢なのか」と批判する声が上がっている。ミサイルを発射するためにどれほど多くの外貨が消えていくのか、一般住民も皆知っているのだ。

ちなみに米中央情報局(CIA)は、北朝鮮が国民総生産(GDP)の2〜3割を各種ミサイルを含めた国防費に使っているとしている。

金正恩氏は「祖国と人民の偉大なる尊厳と栄誉のために勇敢に撃て」との親筆命令(自らがサインしたもの)を下して、ミサイル発射に踏み切ったが、情報筋はミサイル発射ごっこが人民の尊厳と栄誉のための行為なのかと呆れた様子だったとのことだ。

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中には、「勇敢に撃て」というその相手が米国なのか、なんとかして生き抜こうとあがいているわが国(北朝鮮)の人民なのかわからないとの反応を示す人もいたとのことだ。

(参考記事:「勝手にやってろ」金正恩のミサイル発射に北朝鮮国民が反発