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北朝鮮はコロナ鎖国の長期化で深刻な経済難に直面している中、思想教育の強化で内部の引き締めを図っている。デイリーNKは、北朝鮮国内で使用されている思想教育用の内部資料の入手に成功した。

朝鮮労働党出版社が発行した「学習参考資料」は、合計16ページからなり、中央党(朝鮮労働党中央委員会)の宣伝扇動部が作成し、組織指導部が中心となって、昨年末の朝鮮労働党第8期第4回総会の前に配布された。

タイトルの下に「党員および勤労者」と記載されていることから、党の末端組織である細胞、初級党、外郭団体の朝鮮職業総同名、朝鮮農業勤労者同盟、社会主義愛国青年同盟に配布されたものと思われる。

(参考記事:機密文書の国外流出を戒める文書が国外流出してしまう北朝鮮

北朝鮮が昨年12月に配布した学習参考資料(画像:デイリーNK)
北朝鮮が昨年12月に配布した学習参考資料(画像:デイリーNK)

資料はまず、新たな5カ年計画について説明している。その中心課業は「金属工業と化学工業に対する投資を集中し、すべての部門で生産を正常化し、農業部門の物質的土台を強化して、軽工業部門に原料、資材を円満に保障し、人民消費品(生活必需品)の生産を増やすこと」であるとし、その基本となるのは「依然として自力更生、自給自足」だとしている。

生産を正常化せよとしつつも、原材料の調達は現場に丸投げするという従来の姿勢と変わりない。

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資料はまた、農業に対する認識を正しく持つことを求めている。

「ご飯を食べる人ならば、農業をうまくやることが、自らの運命、国の生死存亡に関わる死活的な問題として受け止め、皆が農業に責任を持って動員されてこそ、国の緊張した(差し迫った)食糧問題を解決できる」
「全党、全国、全民が歯を食いしばって突進し、農業をうまくやり、国の米びつを満杯にすれば、いくら封鎖(制裁)状況が長期化しても、われわれに怖いものはない」(資料)

また、今まで中心となっていたトウモロコシ栽培を制限し、稲や麦の生産に転換する方針を指示している。これは、金正恩氏が資料発行後に行われた総会で、示した方針と一致している。

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(参考記事:毎年凶作の北朝鮮農業、何が問題なのか?

資料は一方で、国内の思想の乱れについても指摘している。

「われわれは朝鮮労働党を学習する党にして、すべてのイルクン(幹部)と党員と勤労者が党中央の革命思想でしっかりと武装しなければなりません」という金正恩氏の言葉で始まるこの段落では、「こんにちのわれわれの前にある死活的で深刻な社会政治的問題」として、「非社会主義、反社会主義現象を根絶やしにして、社会主義生活様式を徹底して確立すること」だと強調している。

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非社会主義・反社会主義とは、当局の考える社会主義にそぐわない、あるいはそれに反する風紀の乱れを指し、韓流などの外国の文化コンテンツの消費、密輸、麻薬、賭博など多岐にわたるが、これらを「資本主義思想の表現であり、それとの闘争を放棄するのは、結局革命的原則、階級的原則を捨て去る背信行為」だと規定している。

(参考記事:長期化する非社会主義取り締まりで疲弊の度合いを深める北朝鮮国境地域

非社会主義と反社会主義に直接加担することのみならず、他人の行為を見て見ぬ振りをすることも「背信行為」と規定して、すべての国民がお互いを監視するように求めているのだ。

これは、最近制定された反動思想文化排撃法や青年教養保障法を根拠に行われている、一連の取り締まりと相通じる内容だ。

韓国国家安保戦略研究院のキム・インテ責任研究委員は「北朝鮮は2019年2月のハノイでの米朝首脳会談が決裂に終わった後、自力更生の基調を強調しつつ、対内宣伝扇動を強化してきた」「このような状況でコロナが全世界的に広がり、外部とのコミュニケーションの窓口を完全に閉じて、内部統制をさらに強化する機制として積極的に活用している」と分析した。

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