北朝鮮の国営朝鮮中央通信は12日、平壌市内の「和盛(ファソン)地区1万世帯住宅建設」の着工式に金正恩総書記が参加したと報じた。
(参考記事:金正恩氏「和盛地区1万世帯住宅建設」の着工式に参加)全体で5万世帯の住宅を建設するというビッグプロジェクトの一環として行われる今回の建設だが、平壌市民からは不満の声が上がっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋は、今回の着工式に金正恩氏が参加したという記事を読んだ市民は、「昨年始めた住宅建設も期日までに終えられていないのに、また別の工事を始めた」として、非難していると伝えた。
この「終えられていない工事」とは、松新(ソンシン)・松花(ソンファ)地区での1万世帯住宅建設のことだ。昨年末までに完成させる予定だったが、資材不足で一部では骨組みが組み上がった状態で工事がストップしており、入舎証(居住許可証)を受け取り入居を待っている人々が不便を被っていると情報筋は伝えている。
「当局が推進する今後5年間にかけた平壌住宅5万世帯建設は、大げさな掛け声に終わる公算が高い」(情報筋)
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平安北道(ピョンアンブクト)の別の情報筋は、12日の着工式で住宅建設の新たな目標が示されたと伝えた。和盛地区の住宅建設はその中の一つだ。だが、情報筋は今年中の完成について、住民からは「建設資材もないのに無理やり目標だけ定めて、労働者と建設指揮部に突きつけたところで、マンションがひとりでにできるのか」と疑問の声が上がっていると述べた。
自分たちとは何の関係もない首都・平壌での住宅建設の資金と物品の供出を求められた地方の住民だが、先立って始まった工事は未だ終わっておらず、不満を抱くのは当然のことだろう。