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北朝鮮で昨年末に開かれた朝鮮労働党中央委員会第8期第4回総会では、農業問題が強調された。長年にわたって北朝鮮を苦しめ続けている食糧問題を、農業振興に力を入れることで解決しようというものだが、それ以前に解決すべき問題がある。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)のある幹部は米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、最近、中央から党中央委員会総会で示された農業文化強化のための決定貫徹に関する方針が下されたと伝えた。

今回の方針の主な内容は、農村を去った農場員とその縁故者に対する徹底的な調査を行い、農場員を「再配置させる事業」を徹底させよというものだ。つまり、農村から逃げ出した者を連れ戻せということだ。

この幹部によると、同様の指示は過去にも複数回下されていたが、まともに執行されたことはない。ただ、先日の総会で農業問題が重要課題として取り上げられたこともあり、中央は今回の調査と再配置を地域の党委員会で責任を持って行い、必ず解決せよと強調したとのことだ。

(参考記事:出稼ぎに出た農民を「強制連行」する北朝鮮の協同農場

方針に従って、朝鮮労働党咸鏡北道委員会は、咸鏡北道安全局(県警本部)を動員して「離脱農民調査常務グルパ」を立ち上げさせ、法に反して農村から逃げた農民に対する調査に着手。今月末までに市、郡、区域の党委員会と安全部が合同で、逃げた農民を探し出して農場に連れ戻すことにした。

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なお、北朝鮮では登録した居住地から無断で離脱することそのものが違法となっている。

それだけではない。農村出身で結婚などの理由で都会に移住した者、農村に籍を置いたままで都会で暮らしている者も調査し、許可なく移住したことが分かれば、農村に連れ戻す方針だ。

(参考記事:北朝鮮の「よそ者追放令」で予想される強い反発

「農民連れ戻し令」の背景には、深刻化する農村の労働力不足がある。公表はされていないものの、よりよい暮らしのために、或いは生活に行き詰まって農村を離れる人の数は相当数に及んでいるようだ。機械化が進んでおらず、働き手の数が農業生産の増減に直結するだけあり、当局は極めて深刻な問題と考えているようだ。

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(参考記事:毎年凶作の北朝鮮農業、何が問題なのか?

問題は、逃げ出した農民だけではない。

平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、兵役を終えた元兵士を集団で農村に送り込む「集団配置」と関連して、不満の声が上がっていると伝えた。

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農村出身者にとって長年の兵役を終えたタイミングは、合法的に都会に移住するまたとない機会だが、そのためには都会の職場を割り当てられなければならない。それなのに、元いた農村に戻れと言われたのだから落胆するのは当然のことだろう。

社会安全省(警察庁)は、各機関、企業所を担当する安全員(警察官)に、農村出身者を従業員として受け入れることのないように統制するように指示した。

(参考記事:「10年も耐えたのに…」北朝鮮兵士ら、農村行き命令に不満