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クリスマスを前後して日本、韓国には大寒波が襲来したが、その影響は北朝鮮にも及んでいる。24日、北朝鮮北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)に強風が吹き、住宅に被害が出ていると、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

鐘城(チョンソン)、富寧(プリョン)、羅先(ラソン)などでは電柱が倒れ、鉄道沿いの高圧線が絡んでショートを起こし、列車の運行が3日間停止となった。

また、マンションのベランダにあったものとどこかに吹き飛ばされ、金正恩総書記の肝いりで昨年建てたばかりの平屋建て住宅のトタン屋根や、工場・企業所の屋根が吹き飛ばされてしまったとのことだ。今回の強風で10人以上が負傷し、病院に搬送された。

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前日の朝鮮中央テレビの天気予報では、咸鏡北道北部に強風警報が発令され、秒速10メートル以上の強風が吹くと伝えているが、実際は予想を遥かに超える強風が吹いたのか、手抜き工事だったかのどちらかだろう。

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今回の被害に限らず、北朝鮮は災害に非常に脆弱だ。隣接する韓国、中国では大きな被害がなくとも、北朝鮮だけでは甚大な被害が発生することもある。防災インフラが整っていないことによるものだ。実際、今回の被害地域に隣接する中国吉林省の延辺テレビは、気象悪化については伝えているものの、被害が発生したとの報道はない。

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停電により生産ラインを稼働させられなくなった工場、企業所は頭を抱え、朝鮮労働党咸鏡北道委員会が開いた緊急会議に支配人らを派遣して、被害状況を報告するなど対策に追われた。

今年は、国家経済発展5カ年計画の初年に当たり、計画(ノルマ)達成が盛んに叫ばれている。ノルマ未達成の工場が続出している状況で、復旧について討議がなされたとのことだ。倒れた電柱については、金正恩総書記の演説がテレビで放送される元日だけでも電気が供給できるように復旧を急ぐように指示が下された。

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被害当日の12月24日は、金正恩氏の祖母にあたり、「国母」と呼ばれる金正淑(キム・ジョンスク)氏の生誕記念日。本来なら一切の事件、事故の発生は許されないが、相手が自然とあってはどうしようもない。