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北朝鮮・両江道(リャンガンド)に位置する恵山(ヘサン)青年鉱山。2007年11月に、北朝鮮の採掘工業省と中国の万向集団との合弁で設立された「恵中鉱業合営会社」により運営され、掘り出された亜鉛と銅はすべて中国に輸出されていた。

国連安全保障理事会の制裁決議後も、密かに中国への輸出を続けていたが、昨年1月からはコロナ対策として国境が封鎖され、一切の輸出ができなくなってしまった。恵山青年鉱山の現状を、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えている。

(参考記事:北朝鮮、制裁後も「鉱物資源」を中国へ輸出か

恵山青年鉱山では、コロナ鎖国後に生産量が大幅に減少、食糧配給は労働者本人の分だけとなり、家族の分は出なくなっていた。それでも、今年3月までは坑道に入る労働者に1ヶ月少なくとも5キロのトウモロコシが配給されていた。しかし、4月からはそれも途絶え、作業中に坑内で提供される食事も途絶えてしまった。

彼らはいかにしてこの状況を生き抜いているのか。それは、「ネコババ」だ。

ここで働く労働者は、採取した鉱石をくすねて売り払い、生活費にしている。銅精鉱の場合、1キロ7〜8元(約125円〜142円)で取引されているが、コメ1キロ以上の価格に相当する。10キロ以上運び出す場合もあるという。

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もちろん国家財産の窃盗罪、横領罪に当たる。全国的に取り締まりが強化されているが、恵山青年鉱山では、何らかの理由で取り締まりが行われていないか、非常に緩いものにととまっていると思われる。

(参考記事:公開処刑より恐ろしいものは…北朝鮮「窃盗事件」多発の深層

また、近日中に貿易が再開されるとの噂が流れており、少しでも鉱石を集めておこうと、食糧配給を得られず何も食べていないのに、無理に坑道に入って働き、倒れてしまう事例もあると情報は伝えている。

鉱山の苦境は恵山に限らず、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の茂山(ムサン)でも、鉱山労働者一家5人が、配給を得られずに餓死する事件が起きている。

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(参考記事:北朝鮮「陸の孤島」が震撼する、ある家族の全滅事件