中国政府は、北朝鮮からの石炭などの鉱物資源を禁輸リストに載せて、制裁履行に積極的に乗り出す姿勢を見せている。その一方で、中朝合弁で設立された会社を通じて、北朝鮮の鉱物資源が中国へ輸出されていることが明らかになった。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

北朝鮮で採掘された鉱物資源を中国へ輸出しているのは「恵中鉱業合営会社」。同社は、2007年11月に、北朝鮮の採掘工業省と中国の万向集団との合弁で設立された。持ち株比率は北朝鮮51、中国49で、2011年9月から操業を始めた。

制裁後も、増産が続く

RFAの現地情報筋によると、会社設立後、恵山青年鉱山で掘り出された亜鉛と銅はすべて中国に輸出されるようになった。

そして、今年1月以後、生産量は月300トンから400トンに増やされているという。北朝鮮では、1月から朝鮮労働党第7回大会に向けた大増産運動「70日戦闘」が進められており、増産はその一環と見られる。

現地の鉱業関係の情報筋によると、「恵中鉱業合営会社」は、恵山青年鉱山のみならず、金正淑(キムジョンスク)郡のモリブデンを産出する龍河(リョンハ)鉱山など、道内のほとんどの鉱山から採掘される鉱物を中国に輸出している。

収益は、金正恩氏の個人金庫へ

その存在感は「もし存在しなかったら第7回党大会が開けないだろう」と情報筋が語るほどだ。

鉱物資源の輸出で得られた収益は、採取工業省を通じて労働党財政経理部、つまり金正恩第1書記の個人金庫に収まっていると言われている。

情報筋は「中国は、北朝鮮から鉱物を輸入しないと宣言したが、恵中鉱業合営会社が扱うものだけは例外にしているようだ」「両江道の豊富な鉱物が今後も輸出され続けるとしたら、経済制裁など意味がない」と述べた。

中国商務省が発表した北朝鮮からの輸入禁止品目には、石炭、鉄、鉄鉱石、金、チタン、バナジウム、レアアース(希土類)があるものの、銅、亜鉛、モリブデンは含まれていない。

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