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国連児童基金(UNICEF)の2017年の調査によると、北朝鮮の家庭のうち、安全な水へのアクセスが確保できているのは61%に過ぎない。学校や保健機関になるとこれが半数まで落ち込む。

山間部では、歴史上一度たりとも水道の恩恵に預かったことがないという地域すら存在する。

(参考記事:北朝鮮山間部の悲惨な「水事情」…汚染水で皮膚病も

それを考えると、同じ山間部でも両江道(リャンガンド)の道庁所在地、恵山(ヘサン)は、水道が完備され、道内の他の地域と比べて群を抜いて恵まれていると言えるが、それは蛇口から水が出てこその話。現地のデイリーNK内部情報筋は、ここ最近、断水が続いていると伝えた。

市内の一部地域では先月中旬から断水が続いている。今までも電力供給の問題で、水道が使えないことが多く、水の供給が行われるのは1ヶ月に1〜2回程度だったが、それが全く途絶えてしまったというのだ。

かつてなら、市内を流れる鴨緑江のほとりで水を汲んだり洗濯したりすることもできたが、国境警備が強化された今、川に近づくことは許されておらず、遠い場所まで行くことを余儀なくされている。

(参考記事:北朝鮮が夜間通行禁止令を強化…警察に「見せしめ逮捕」指示

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そんな状況に市民からは苦痛を訴える声が上がっているが、水道関連部署は、電力事情と水事情が悪化する冬季であることを理由に挙げて、「もう少し(我慢して)打ち勝とう」とごまかすばかりだという。

一般庶民が水不足に苦しむ中、トンジュ(金主、新興富裕層)や幹部らは涼しい顔をしている。そもそも普段から飲料水として、ミネラルウォーターを購入しているため、水道水が出なくとも痛くも痒くもないのだ。

(参考記事:「昭和天皇も飲んだ」北朝鮮が熱を上げるミネラルウォーター商売