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中国の輸出規制により、北朝鮮で尿素やアンモニアなどが不足し、各地の肥料工場が稼動中止の直前まで追い込まれていることは、デイリーNKジャパンで既報の通りだ。

国内生産も可能ではあるが、コストと品質の面で難があるため、中国からの輸入に頼っていたことが原因だ。このままではただでさえ肥料不足で凶作続きの農業に、さらに深刻な影響が出かねない。北朝鮮当局は急遽、尿素の確保に乗り出した。平壌のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

(参考記事:中国の輸出規制で北朝鮮の肥料工場が稼働ストップ寸前

対外経済省は今月10日、各貿易機関と個人業者に対し、「尿素または窒素肥料、肥料と関連した原料を輸入できる機関は、貿易計画書を提出せよ」との指示を下した。

中央党(朝鮮労働党中央委員会)と対外経済省は、この計画書をベースに、輸入計画量、今までの実績、取り引きのある中国側業者の信頼度などを評価し、貿易可否を判断する予定だ。許可を取り付けた貿易機関と個人業者は、年末まで貿易を行えるようになる。

評価を今週中に終えて、すぐにでも輸入させる方針だとのことだ。北朝鮮は今年春、貿易機関に対して貿易のワック(取扱い枠)の申請受付と発行を行い、すぐにでも貿易が再開されるのではないかとの期待が高まったが、国が認めたごく限られた量の輸入にとどまっていた。しかし、いよいよ尻に火がついて、慌てて貿易の門戸をさらに少し開いた形だ。

(参考記事:再開遅れる中朝貿易、倉庫維持費に耐えかね夜逃げする業者も

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北朝鮮は同時に、外交チャンネルを通じて、尿素の確保に乗り出している。

北朝鮮国内の高位情報筋によると、外務省は最近、北京駐在の北朝鮮大使館を通じて、「わが方の貿易機関と企業所の尿素輸入活動に支障がないように協力を望む」と中国政府に要請した。

また、中国各地の領事館に対して、中国の肥料業者が尿素などを北朝鮮に積極的に輸出できるように便宜を図れとの指示も出した。

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ただ、北朝鮮当局が示した肥料の確保目標が、去年と比べて1.5倍も多いことから、思惑通りに事が進むかは不透明な状況だ。この高位情報筋も、計画達成は難しいと見ており、うまく行っても今年と同水準になるのではないかとの見方を示した。つまり、肥料不足と凶作は来年も続くということになる。

(参考記事:「尿2リットル供出令」で深刻な肥料不足を乗り切ろうと焦る北朝鮮

一方、今回の指示との関連は不明だが、先日、北朝鮮から中国に向けて約2年ぶりに運行された列車に、平壌から派遣された緊急の物資支援の要請をする非公式代表団3人が乗っていたと、米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)の丹東の情報筋が伝えている。

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彼らは瀋陽駐在の北朝鮮領事館丹東支部で中国側の関係者と面談し、食糧以外の緊急物資について北朝鮮に支援することで合意したと情報筋は伝えた。