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北朝鮮は昨年1月、新型コロナウイルス対策として国境を封鎖し、貿易を停止した。国内では食糧と物資の不足が深刻化する一方で、貿易再開を望む声が多く聞かれる。

両江道のデイリーNK内部情報筋は、平安北道(ピョンアンブクト)の義州(ウィジュ)に消毒施設が完成したとの話が伝わり、地域住民や商人が大いに期待していると伝えた。この施設は今年4月に完成が伝えられていたが、最近になってようやく実際に運用できる状態になったものと思われる。

しかし、このような施設は両江道には存在しない。

(参考記事:北朝鮮の貿易都市近隣に大規模検疫施設、コロナ後に向けた動きか

貿易再開のためには消毒施設が必須だが、恵山近郊の税関にはそのような施設がない。6〜7月に建設の話は出たものの、様々な問題点が浮上し、実現には至らなかったとのことだ。

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6月に金徳訓(キム・ドックン)内閣総理や高位幹部が両江道での防疫施設の選定のために恵山、三池淵(サムジヨン)などを視察し、7月には中央非常防疫司令部の高位幹部も最終的な視察を行ったが、結局は建設の承認が降りなかったという。詳細は不明だが、脱北の増加への懸念、そして費用の問題などがあったものと思われる。

道党(朝鮮労働党両江道委員会)と両江道貿易局のイルクン(幹部)は、来年の初めまで貿易の再開は難しいだろうと見ている。

ただし、貿易が全く行われていないわけではない。

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7月から中央の指示に基づき、両江道貿易局と道内の貿易会社が、鉱石、松の実、イカなどをまとめて、毎月1回、首都・平壌郊外の南浦(ナムポ)港に運び、そこから輸出している。川向うが中国というロケーションにあるのに、数百キロも離れたところから船で輸出するという、非常にまどろっこしい方法を使っているのだ。貿易を中央でコントロールするのが目的だろう。

今月8日には、北朝鮮と中国を結ぶ鉄橋の上を、試運転ながら2年ぶりに列車が運行される様子が目撃されている。また、両江道では先月、各機関のイルクンを集めた上で、貿易再開を見越したものと思われる思想教育が行われている。

(参考記事:北朝鮮と中国を結ぶ列車が約2年ぶりに走行…再開に向け準備か