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「輸入病」とは、何でもかんでも輸入品に頼ろうとする傾向を批判的に表現した北朝鮮の用語だ。

同国は鉱物、森林資源が非常に豊富だが、それを製品化するだけの技術力がない。それ以前に、インフラの不備で工場が充分に稼働できず、できた製品も質が低く、値段が高い。輸入品に頼ろうとするのは、ごく自然な流れだ。

そんな中、金正恩総書記は製品の国産化政策を打ち出し、様々な施策を行っているが、うまく行っているとは言えない。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、道党(朝鮮労働党咸鏡北道委員会)が、商業部門から国産化の方針を実現せよとの指示を受け、対策に乗り出したと伝えている。

その対策とは、清津(チョンジン)市人民委員会(市役所)の商業化と、各市場の管理所が協力し、国産品を扱う商人の市場管理費を半額にするなどの策で、中国製品ばかりの市場を国産品で満たそうというものだ。

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昨年1月から、コロナ対策として国境が封鎖されており、生活必需品や食料品の輸入が止まったことで価格の乱高下が続いているが、いつ貿易が再開するかわからない中「党の国産化方針を貫徹しなければならない」と、関連の布置(布告)では述べられている。

清津市内の各市場の商人に対しては、今回の道党の決定内容を伝え、今月から工業用品、食料品の売台(ワゴン)を国産品で埋め尽くし、市場管理費を節約し、国に利益をもたらそうとの説得がなされている。

また、「国境が永遠に遮断されて密輸もできなくなるかもしれない」「国産化政策を早く受け入れて国内製品を確保し、活路を見出すのが賢明だ」と宣伝している。

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商人や消費者の反応は、ひとことで言って「失笑」だ。

消費者は、1990年代後半の大飢饉で国内の経済システムが崩壊した「苦難の行軍」のころから20年以上、中国製品に依存して暮らしてきたのに、今さら質の悪い国産品を誰が買うのか、見向きすらしないと露骨に語っているという。

また、方針に従って国産品を流通させようにも、需要を満たすほどの生産ができるか疑問だとし、「一体国は住民が望むことに関心があるのかわからない」「今後どうしようというつもりなのかわからない」などとも述べているとのことだ。

(参考記事:「金正恩印の粗悪品」を完全無視する北朝鮮の消費者たち

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さらに商人の立場からは「国産品は国営商店だけで売ればいいのに、なぜ市場まで巻き込むのか」「生活が苦しいのに売れもしない国産品を売れとは、死ねというのも同然」「こんな形で圧迫するならさらに暮らし向きは苦しくなる」と非難一色だ。

国産品を売ろうと呼びかけている市場管理所も、商人の反発を恐れてか、強制するには至っていない。

国産品の多くは原材料を輸入に頼っており、国産品の売れ行きが伸びたとしても、原材料の輸入量が増えるというジレンマを抱えている。また上述の通り、技術力がないため、一部を除いては中国製品より質が低く、値段も高く、生産量も多くない。

(参考記事:国産製品の品質低下が深刻…「取り締まり」で解決図る北朝鮮

国営企業の製品の評判は散々なものである一方で、質の良い商品を生産し、消費者の指示を勝ち取っている商人も数多くいる。しかし当局は、努力の結果で儲けた商人を弾圧する始末。せっかく育った優秀な国産品を国自らが潰しているのだ。

(参考記事:北朝鮮版「細うで繁盛記」の悲惨過ぎる結末

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