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北朝鮮では秋の収穫が終盤に差し掛かっている。特に今年は、早めの収穫が呼びかけられていた。朝鮮労働党機関紙・労働新聞は先月17日、世界各地で自然災害が発生し、国内の一部地域では雹(ひょう)による農作物への被害が発生したことを挙げ、稲の品種とどれだけ実ったかを見て、計画を立てて収穫を急ぐよう訴えた。

同紙はまた、「稲を先に収穫する単位(農場)では、(稲の)束を大きく結んで立てておいた後で、その上に別の稲の束をかぶせて、米粒が雹に当たらないようにしなければならない」とも注文をつけた。

この稲束を巡り、北朝鮮の農場で騒動が起きていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

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平安南道(ピョンアンナムド)成川(ソンチョン)の情報筋は、収穫が終わった協同農場で、住民が動員され「稲束運搬戦闘」が行われていると伝えた。これは、田んぼに立てておいた稲束を数百メートル離れた脱穀場まで運ぶ作業で、朝から昼まで行われる。

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作業が終わってもすぐに帰宅できるわけではない。農場には成川郡安全部(警察署)の巡察隊が待ち構えており、作業に携わった人ひとりひとりの身体検査を行っている。

コメの確保を巡っては、一粒でも多く奪い去ろうとする軍や国、一粒でも多く手元に残そうとする農民との間で毎年のようにトラブルが起きているが、安全部はコメを盗み出す者がいるのではないかと検査をしているのだ。金鉱やダイアモンド鉱山を彷彿とさせる光景が、農場で繰り広げられている。

動員されたことで市場での商売ができずに不満を持っていた人々は、この安全部のやり方に腹を立てて、「体をまさぐってもコメが出てこなかったらどうするつもりなんだ」と安全員(警察官)に激しく食ってかかるなど、現場で摩擦が起きているという。

(参考記事:軍と国家が一斉に農場を襲う、北朝鮮「食糧難」の末期症状

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同じ平安南道の殷山(ウンサン)の情報筋は、現地の協同農場での収穫は終わったものの、稲の束を脱穀場まで運ぶに必要なトラックの燃料が不足し、脱穀作業が遅れていると伝えた。これに対し郡党(朝鮮労働党殷山郡委員会)は、23日から郡民を稲束運搬戦闘に総動員するように布置(布告)を出した。

自分の属した職場ごとに量が割り当てられ、それらを運び終わらないと帰してもらえない。ここでも安全部による身体検査が行われているが、頭にきた住民は「自分の服を全部脱がせて稲束を運ばせて帰宅させるように措置を取ればいい」などと強く抗議しているとのことだ。

当局がここまでの対応を行っているのは、今まで動員現場から収穫物を持ち帰ることが当たり前のように行われていたことと、それを見逃せないほど食糧事情が逼迫していることが背景にあるだろう。

(参考記事:キムチ用の「野菜確保」を巡り大騒ぎの北朝鮮