金正日総書記は、1974年頃から自分の側近たちと秘密パーティーを開くようになった。権力を強固にするため、労働党の主な役職を自分に忠誠をつくす人で埋める親衛勢力を作るために、パーティーを利用したのだ。

このパーティーの雰囲気をもりあげるために、動員された女性たちが「喜び組(キップンジョ)」と呼ばれる。

韓国では、金正日氏を擁護するためか、いまだに「喜び組はデッチ上げだ」と言われることがあるが、これは「喜び組」が深く研究されず、また、こうした北朝鮮の核心情報を知らない人たちの証言が活用されたからだ。

ある美女の告白

金正日氏の近くで私生活を見た経験を持つ脱北者は全て、「喜び組」が実在するだけでなく、時には資本主義以上に退廃的な行為が行われていたと伝えている。喜び組の全貌は、まだまだ明らかになっていないが、その存在と役割については疑問の余地がない。

喜び組の存在については、北朝鮮の住民もおおよそ知っている。住民は金日成氏や金正日氏の健康を管理する「万寿無彊研究所(現基礎科学院)」と共に、金正日氏に「喜び」を与えるために存在する公演団であると理解されている。

1997年、北朝鮮の工作員によって暗殺された金正日氏の甥である李韓永(イ・ハニョン)氏は、「主に水曜日と土曜日に開かれる金正日総書記の秘密パーティーで、喜び組が登場してその場の雰囲気をもりあげる」と証言した。

李氏の証言以前には、1995年に脱北して韓国に来た舞踊家の申英姫(シン・ヨンヒ)氏は、「北朝鮮で喜び組だった」と告白。彼女は、自身の体験を基に、ベールに隠された喜び組の選抜過程、構成員、役割などを暴露した。

欧州でタンゴ、ワルツを学ぶ

日韓以外の海外メディアも喜び組について報じている。

1999年9月、オーストリアの週刊誌「フォルマト」は、「金正日総書記の喜び組の女性たちが、オーストリアのウィーンでタンゴやワルツなどの西洋舞踊を学んでいる」と報道した。

同誌によると、北朝鮮の若い女性6人と、彼女たちを監督する1人の女性が、ウィーンのエルマイヤー・ダンススクールで踊りを学んでいる。彼女たちは「金正日総書記のために奉仕する喜び組の女性たちだ」と伝えた。ところで、喜び組はいつ頃、どのように作られたのだろうか。

喜び組は、1970年初めに金日成氏に取り入るため、金正日氏が、北朝鮮全国から美貌の女性を選抜し、金日成氏の別荘に配置した時に作られた。

その後、1983年12月から本格的に金正日氏のための喜び組が作られた。その構成は「公演組」「喜劇組」「重奏組」などだ。

芸術学校の美少女たち

この中でも、とくに「金正日の女性達」と呼ばれる核心的なグループが「公演組」だ。

公演組は、万寿台芸術団に所属する舞踊家たちで構成されている。北朝鮮で最も舞踊が上手で、容姿が整っている女性たちと言われている。

一方、「喜劇組」は漫談やコメディーをするグループで、「重奏組」はパーティー時に演奏したり、出席者たちの歌の伴奏を担当する。別名「白頭山7重奏団」と言われている。重奏団は平壌音楽舞踊大学から選ばれた才能のある20代前半の女性で構成される。

喜び組のメンバーは固定されているわけではない。金正日氏の指示によって、そのつどメンバーが増やされる。

秘密の「身体検査」

対象は、平壌をはじめとする全国の芸術専門学校の18歳ぐらいの学生たちだ。金正日氏の指示があれば、組職指導部の書記室を通じて、平壌市や道の党幹部に指示が下る。いわゆる、「5課対象者選抜指示」だ。中央党の5課でこの仕事を担当しているため、このように言われている。

北朝鮮政府は、「偉大な首領様と親愛する指導者同志の万寿ご安泰事業は、全体の党員と党委員会の神聖な義務」というタイトルの極秘パンフレットを、各党の幹部たちにに配布し、その基準に基づいて喜び組の候補メンバーを探して推薦するように強要している。

5課対象者は、容貌が整っていなければならないという。

各道では選抜の指示に備えて、あらかじめきれいで元気な女子学生を芸術専門学校に入学させる。芸術的下地があってもなくても構わない。指示が伝われば、この学生たちの中から選抜する。

マッサージの技術

およそ200〜300人が第1次選考で選抜されたら、この中から100人を選ぶ。彼女たちは平壌の南山病院で精密な身体検査を受ける。この中には産婦人科の検診も含まれている。こうした過程を経た後、約50人が最終的に選抜される。

金正日氏によって選ばれた50人の女性たちは、選抜後6ヶ月ほど教育を受ける。

「満足組」は、パーティーでのお酌や性的奉仕に必要な礼節とテクニックを習い、「幸せ組」は物理治療の専門医から「按摩」や「マッサージ」「指圧」などの疲労回復専門技術を学ぶ。また、「歌舞組」は歌や踊りを学ぶ。

特に、「満足組」と「歌舞組」の場合、金正日総書記のパーティが開かれる毎週土曜日の夜に、「自由の夜」という名目で開かれる「インドの夜」「ニューヨークの夜」「東京の夜」「ペルシャの夜」「パリの夜」などで、衣装や音楽など、現地の風習をまねて演出できるように、徹底的に教育を受けている。

下着が見えるほど…

最後の教育課程である、半月間の海外見学教育が終われば、彼女たちは護衛総局で少尉の階級が与えられ、25歳まで名目上、人民軍の将校として服務することになる。

金正日氏の喜び組のパーティーでは、彼らが批判する、いわゆる資本主義的な遊興的雰囲気をしのぐ、退廃的・歓楽的雰囲気が演出される。舞踊家は下着が見えるほど足を高く持ち上げて、胸が見えるような踊りをする。

また、金正日氏は韓国の歌「私はできそこない」「昨日は雨が降ったな」などの歌が上手だと言うが、踊りと歌が終われば、喜び組はほとんど全裸で金正日氏に酒を勧め、参加した幹部たちは沸きかえるという。

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