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北朝鮮でよく見られる「首領福」「将軍福」などのスローガン。徳の高い指導者を戴くことは、北朝鮮国民だけが享受できる僥倖である、という意味合いが込められている。

このように北朝鮮では、最高指導者がいかに「ありがたい存在」であるかが何かにつけて強調されるが、それはこんなところにも現れている。

今月21日の秋夕(チュソク、旧盆)を迎え、多くの人がお墓参りを行ったが、金正恩総書記が、人々の交通の便を確保するために、わざわざバスを運行したというのだ。

平壌のデイリーNK内部情報筋によると、平壌市を中心に、朝鮮労働党員や労働者の学習班政治教養事業――要するに政治学習用の資料として配布されたものの中に、「防疫の徹底」「革命的秩序と社会主義生活様式にふさわしい秋夕の過ごし方」などの他に、次のような内容が含まれていた。

「元帥様(金正恩氏)は国が苦しい中でも、祖先の墓を訪れる人民の便宜を図るために、市外(バス)路線を仕立て、運送用のガスとガソリンを保証せよという指示を下した」

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朝鮮半島の伝統的な墓と言えば土饅頭だが、それを作れるほどの山が平壌市内にはなく、ほとんどの人は郊外の江西(カンソ)、平城(ピョンソン)などの山に墓を持っている。今までは、ポリ車(個人経営の運送車両)などを借りて移動していたが、その費用は決して安くない。そこで金正恩氏が、郊外に向かうバスを運行することにしたということだ。

実際、陸海運省運輸管理局には、平壌市民のために秋夕当日1日だけバスを運行し、それに必要なガソリンを供給せよとの指示が下された。

「平城方面、江西方面、沙里院(サリウォン)方面、祥原(サンウォン)方面、大同(テドン)方面、勝湖(スンホ)方面など目的地ごとにどこにでもいつでもバスに乗っていいとの公告が下された。このように国がバス運行をしてくれるのは初めて」(情報筋)

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ちなみに運賃は大人1人往復で1000北朝鮮ウォン(約23円)で、12歳以下の子どもは半額。トンジュ(金主、新興富裕層)が運行するポリ車の場合、距離によって運賃は異なるが、初乗りが1万5000北朝鮮ウォン(約345円)であることを考えると、国営のバスは極端に安い。

毎年この時期になると、墓地の多い地域に向かう多くのポリ車が運行されていたが、国営のバスの話が流れ、トンジュは一斉に手を引いた。ただ、ごく一部のトンジュは、ポリ車の利用があると踏み、8人乗り、15人乗りのワンボックスカーを用意したとのことだ。

最近、トンジュに握られてしまっていた経済の主導権を国に取り戻そうとする動きが出ているが、今回のバス運行もその一環と見ることができよう。資金を国庫に入れると同時に、「元帥様のおかげで」という宣伝を堂々とできるからだ。

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(参考記事:北朝鮮、市場での物品販売を規制…国主導の経済に回帰か

一方、平壌市内や近郊の平城の市場で小豆、大豆、キビ、キャンディなど先祖へのお供え物を中心にした食材を販売する商人に対して、これらの価格を高くして販売した場合、市場管理費を3倍徴収するとの布告を出した。

これも、市場に対する統制権を何とかして取り戻し、物価を安定させ、世論の指示を引き出そうとする当局の思惑が働いたものと思われる。

(参考記事:金正恩印の「国営米屋」、開店休業つづき計画挫折か

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