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北朝鮮当局は、不足する物資を国民に強制的に供出させ、乗り切ろうとする「集中収売」を頻繁に行う。

代表的なものが、毎年正月に、肥料の代わりとして使う人糞を大量に供出させる「堆肥戦闘」だが、それ以外にも年がら年中、何らかの金品を供出させている。

(参考記事:北朝鮮の少年少女を苦しめる「気持ち悪い」冬休みの課題

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、今月1日から恵山(ヘサン)市内の人民班(町内会)で事業が行われていると伝えた。1世帯あたりのノルマは古紙500グラム、ゴム1キロだ。

それも「適当に出すふりをするのではなく、きちんと決められた量を正確に出せ」との注文付きだ。出せない場合には、道路補修工事に動員される。

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紙ならともかく、ゴムの木が生えている熱帯の国ではないため、自宅にあるゴム製品を差し出すしかない。しかし度重なる供出で、もはやどの家庭も「在庫」が残り少なくなっている。結局は、市場で買って出すしかない。

供出を求められた人糞が集められず、市場で買い求めたり、人糞を納めたという偽の証明書を発行するブローカーが暗躍したりするのと同じような状況が、繰り広げられているものと思われる。上述の「ちゃんと出せ」という警告は、そういう実情を背景にしたものだろう。

(参考記事:冬の北朝鮮で暗躍する「人糞ブローカー」登場

通常時でも住民の激しい不評を買っているこのような供出事業だが、今はコロナ鎖国のもたらした極度の食糧難の真っ只中だ。住民からは「くれると約束した食糧もまともにくれないのに、取り上げるものはこっちの事情も考慮せず強制するなんてがめつい」と不満の声が上がっている。

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金正恩総書記が下したと伝えられる特別命令書に基づき、住民に軍糧米が有償で配給されることになっているのだが、うまく行き渡っていないのだ。

(参考記事:北朝鮮国民、コメの有償配給に不満…「恩知らず」当局が批判文書