「待ちきれなくて…」北朝鮮の社長20人、金正恩命令で処刑か

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ワック(輸入取扱い枠)の申請を受け付けるなどの動きはあったものの、本格的な再開には至っていない中朝貿易。「もう待ちきれない」としびれを切らした一部貿易会社が、当局の許可なく貿易を再開している。

ところが、社会安全省(警察庁)傘下の貿易会社が、コメと医薬品を輸入したところ、密輸扱いにされ摘発された。社長には無期懲役の判決が下されるものと見られている。

(参考記事:北朝鮮警察系の貿易会社社長、コメと医薬品の密輸で無期懲役

一方、デイリーNK内部情報筋によると、先月から朝鮮労働党組織指導部が行っている貿易会社に対する検閲(監査)で、貿易会社の社長ら20人が逮捕され、貿易指導員数百人が取り調べを受ける事態になっていると伝えた。

摘発された人々は、労働鍛錬刑、労働教化刑(いずれも懲役刑)など軽い処罰では済まされず、罪状に応じて管理所(政治犯収容所)送りや処刑など厳しい処罰が下されるものと思われる。

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いずれも許可されていない品目や、防疫処理を行わずに輸入した容疑だが、当局は後者により重点を置いている。物品を介した新型コロナウイルスの感染は確認されていないのだが、病的なほどに感染症の国内流入を恐れる北朝鮮は、輸入品目の留置、消毒などの措置を厳密に行うよう規則を定め、そのための施設も作っている。

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輸入されたのは調味料、ごま油、ごま、砂糖など、北朝鮮国内の市場で品薄となり、価格が高騰しているものだ。一連の取り締まりで、輸入品も、貿易会社のワックもすべて取り上げられた。

検閲の影響を受け、北朝鮮のある有名貿易会社が中国の業者に出した1800トンもの建設資材、紙、石鹸などの生活必需品などの注文が、中途で破棄される事態も起こっている。

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同時に、韓国や中国に住む脱北者と北朝鮮に残してきた家族との間での送金に関わった貿易会社も摘発の対象となっている。送金ブローカーへの取り締まりが強化されたのをチャンスと見て、中国の貿易業者との代金のやり取りを装い、送金を請負い、手数料を取るという手口だ。

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なお、今回取り締まりに遭った貿易機関の中には、国内で流通する外貨をかき集める中央党(朝鮮労働党中央委員会)38号室傘下の牡丹指導局も含まれているとのことだ。重要な機関であっても、例外なく取り締まることで、当局の強い意志を見せつける思惑があるものと思われる。

金正恩総書記は、今回の検閲と関連し、党的処罰ではなく法的措置に基づき処罰せよ、幹部級貿易指導員が摘発されれば党員資格を剥奪せよ、特殊機関所属といえども同一の取り締まり基準を適用せよとの指示を下したと伝えられている。

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摘発された者は、労働鍛錬刑、労働教化刑(いずれも懲役刑)など軽い処罰では済まされず、罪状に応じて管理所(政治犯収容所)送り、処刑など厳しい処罰が下されるものと思われる。