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昨年来、コロナ対策を理由に学校に対する休校令の発令を繰り返している北朝鮮。今年4月末になってようやく授業が再開されたが、わずか2ヶ月で再び休校令が下されたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

(参考記事:6度の延期後にようやく再開の北朝鮮の学校、1ヶ月足らずでまた休校

RFAは平壌の情報筋の話として、教育省が先月25日、コロナ非常防疫のための緊急措置として全国の学校に先月27日からの休校令を下したと伝えた。これを受け、全国の小学校から大学に至るまで、すべての教育機関で授業を中止し、教室には鍵がかけられ、登校そのものを物理的に封鎖している。期間は今年の12月までだ。

指示は休校にとどまらず、児童、生徒、学生に対しては外部での活動は一切行わず、家に留まるよう厳しく言いつけている。各地域の教育委員会は、学生糾察隊(パトロール隊)を立ち上げ、道端、広場などでうろついている子どもたちを厳しく統制しているとのことだ。

休校続きだった昨年から一変、今年4月末からは学校が再開されたものの、農村、道路補修、建設工事への動員でまともに授業が行われていない状況だったが、「今回の休校令で、2021年度の教育課程を完全に放棄したのか」と、情報筋はおかんむりの様子だ。

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また、1月の朝鮮労働党第8回大会以降、コロナ防疫を強化し、国家非常防疫体系は長期戦に突入するとの宣言があったが、「コロナの感染拡大を防ぐ医療手段が全くない状態で、休校だけして防疫ができるのか」と、不満を示した。

(参考記事:極端な医薬品不足に苦しむ北朝鮮、鎮痛剤を5分割して販売

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の住民も、4月26日になってようやく学校が再開されたのに、わずか2ヶ月で再び休校になってしまい、「子どもたちをどうやって勉強させるのか」と不満を吐露した。

一部の住民は、当局が「全世界が大流行伝染病の急速な広がりで大災難に直面している騒ぎの中でも、揺らぐことなく人民の生命、安全を固く守っている偉大なるわが祖国(北朝鮮)は羨望の眼差しで見つめ、感嘆と称賛を惜しまずにいる」などと宣伝しているが、半年も学校を休校にする国がどこにあるのか、わが国にはコロナ感染者が一人もいないと言っているのになぜ休校にするのか、などと怒りをあらわにしているとのことだ。

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今回の休校令は、金正恩総書記が、朝鮮労働党中央委員会第8期第2回政治局拡大会議で、新型コロナウイルスの流入防止のための防疫対策において、幹部の怠慢により「国家と人民の安全に大きな危機を醸成する重大事件を生じさせた」と厳しく批判し、複数の最高幹部を更迭したこととほぼ同時期に下されているが、双方の関連性は今の時点では不明だ。

(参考記事:「国家の危機招く重大事件」金正恩氏、党政治局拡大会議で幹部ら糾弾