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現在、北朝鮮の庶民を苦しめている食糧難は、新型コロナウイルスの国内流入を極度に恐れるがあまり国境を封鎖し、貿易を停止させた国家による人災の側面が大きい。春窮期(端境期)を迎え、前年に収穫した食糧が底をついた「絶糧世帯」が急増していると伝えられている。

そんな中、恵みの雨というべき情報が飛び込んできた。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、ジャガイモの収穫が始まり、食糧価格が下落に転じたと報じた。

(参考記事:「国家存亡に関わる」金正恩が招いた”絶糧状態”という本物の危機

RFAは、首都・平壌に程近い平安南道(ピョンアンナムド)殷山(ウンサン)郡の情報筋の話として、道内の協同農場でジャガイモの収穫が始まったと伝えた。これは農場の作業班に属する畑で取れたもので、国家穀物生産計画に含まれていないため、国に納められることはなく、処分は農場の裁量に任されている。

トウモロコシ畑の隙間に植えられたジャガイモは、トウモロコシの根を傷めないように注意深く掘り出され、作業班長と分組長が秤で重さを計り、市場の商人に1キロ600北朝鮮ウォン(約13円)の卸値で売り渡された。商人は市場で700北朝鮮ウォン(約15円)で販売している。

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中国との国境に接する平安北道(ピョンアンブクト)龍川(リョンチョン)郡の情報筋は、郡内の工場が副業として栽培していたジャガイモの収穫が始まり、一部は絶糧世帯に分け与えられ、残りは市場に卸され、利益は工場の運営資金となっていると伝えた。

これにより、先月は1キロ1500北朝鮮ウォン(約33円)まで高騰していたジャガイモ価格が、3分の1まで下がったという。

一方で、協同農場での働き手不足は深刻で、北朝鮮では高齢者とも言える60歳近い人々まで草取りに動員されていると、咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えている。

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動員されているのは、朝鮮社会主義女性同盟(女盟)のメンバーで、例年なら55歳以下に限られるが、今年は59歳まで拡大された。動員された女性たちは、国に現金の上納まで求められ、重労働に耐えられるだけの食べ物が得られず、畑仕事の最中に倒れる人も出ているとのことだ。

(参考記事:「牛が足りない」北朝鮮のトウモロコシが壊滅的不作