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旧共産圏では土地や工場などの生産手段の私有が禁じられ、すべて国有化されていた。一方、個人の乗用車などは生産手段に含まれず、私有が認められていたが、北朝鮮では自動車の個人所有も一切認められていない。

しかし、現実には個人所有の車両は多数存在する。工場、企業所、機関にいくらかのワイロを払いそれらの名義で登録する形で所有するのである。大抵は「ソビ車」と総称されるタクシーや輸送用のトラックなどとして使われてきた。

(参考記事:北朝鮮が自動車の「個人所有」に対する摘発を強化

そして、このような習慣を悪用して私腹を肥やしていた事業所の幹部が処分されたと、咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

処分されたのは咸鏡北道の穏城(オンソン)郡運輸管理事業所の支配人のペ氏だ。事業所には47台の車があるが、そのうち国に登録されたのは22台だけだった。この事業所に登録できるのは、郡内在住のドライバーに限られているが、支配人は他の地域のドライバーからの登録も受け付け、ワイロを徴収していた。ところが、実際には登録を行っておらず、上部に納めるべきカネを懐に入れていたのだ。

こうした実態は、「事業所の管理など気にせず、個人の利益ばかり追求している」との現場からの問題提起を受けて、内閣の指示で行われた検閲(監査)で明らかになったものだ。

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支配人は「従業員の食糧配給の問題を解決するためだった」と弁明したが、配給に回された予算はゼロだったこともわかった。また、登録された車両の状態も悪く、修理や整備の設備もない。従業員から抗議の声が上がるほど、事業所の運営実態はひどいものだった。

(参考記事:困窮する農民を救った「罪」で殺される北朝鮮の幹部

結局支配人は、個人の私利私欲のために国の法律と秩序を乱し、違法行為を行ったとして先月26日に解任された。また、登録されていた車両すべてが没収され、違法に名義を借りたり、運転免許を取得したりしていたドライバーに対しても、免許取り消しなどの処分が下された。車両を個人所有して、営業を行うまでには初期費用という名の多額のワイロが必要となるが、これらすべてがパアになってしまった。

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車両登録証の発行のためのワイロの額は、ワゴン車が2万元(約34万2000円)、トラックが1万8000元(約30万8000円)で、これらもすべて没収されたが、その結果、事業所財政課の金庫は空っぽになってしまったという。

さらに、支配人にペコペコするばかりで一切の管理を行わなかった事業所内の朝鮮労働党委員会の書記に対しても、従業員から批判の声が上がっており、近々上部からの追及を受けるものと見られている。

他地域では、個人所有の車両への取り締まりが強化されたことで、物流に支障が出ていると伝えられているが、47台ものの車両が一度に消えてしまった穏城でも、同様の状況に陥る可能性が考えられる。

(参考記事:個人登録車両の規制強化で滞る北朝鮮の物流

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