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北朝鮮当局は、コロナ対策の一環として国境の警備を強化しているが、そのための施設設置に当たっていた朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士2人が、地雷を踏んで死亡する事件が発生したと、咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

事故が起きたのは5月13日午前2時ごろ、道内の会寧(フェリョン)の国境沿いの地域だ。地雷が埋設された区域の5メートル手前の地点で、高圧電線とコンクリートの壁を設置するための基礎の工事を行っていた朝鮮人民軍工兵局の兵士2人が、地雷の爆発に巻き込まれ、死亡した。

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2人は5月初めに派遣されたばかりで入浴や洗濯に際する規則、そして最も重要な、どこに地雷が埋設されているかについての講習を受ける時間も与えられないまま、作業に投入された。作業が終わって一息ついた深夜に、洗濯するための水を汲みに川に向かい、間違って地雷を踏んでしまったようだ。

2人は即死状態だったが、足を踏み込んだ地域には多数の地雷が埋設されており、爆発の連鎖が起きたためだというのが情報筋の説明だ。

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当該区間の警備に当たり、2人に注意を与えるべきだったのは国境警備隊と、特殊部隊の暴風軍団の兵士だが、いずれも哨所(監視塔)で居眠りをしていたり、近隣住民の家で酒に酔って寝入っていたりしていたことが判明した。

軍当局は、彼らが通常通りに勤務していたら事故は起こらなかっただろうとして、当該兵士たちを厳しく叱責し、責任を問う方針だ。また、死亡した2人には戦死証を授与し、遺族にも戦死通知書を発送するという。だが、今までの事例を考えると、一切の補償は行われないものと思われる。

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この事故後、建設部隊の指揮部は、高圧電線とコンクリート壁設置作業に当たる兵士を対象にした地雷埋設区域に関する講習を2日間に渡って行った。また、夜間の個別行動と、地雷埋設区域や国境沿いから1〜2キロの緩衝地帯に、部隊の承認や指示なしに立ち入ることを禁止した。また、緩衝地帯では少なくとも3人以上のグループで移動を行い、移動に際しては隊列責任者を定めるなど、徹底した事故の再発策を示した。

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地雷に関しては、昨年10月、両江道(リャンガンド)普天(ポチョン)郡で、暴風軍団が対人地雷「BBM-82」の埋設作業に当たっていたときに爆発事故が発生し、1人が死亡、3人が負傷した。また、今年3月には、咸鏡北道の鍾城(チョンソン)郡で、兵士2人が地雷を誤って踏んでしまい、重傷を負う事故が起きた。

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この地域には、中国との関係を配慮して地雷の埋設は行われていなかった。水害などで流出した場合、中国側に被害が発生し、国際問題に発展しかねないという配慮からと思われる。だが、一般国民の密輸、脱北はもちろん、国境警備に当たる兵士が脱北する事件が繰り返し起きたことから、フェンス、コンクリート壁、高圧電線に加えて、地雷の埋設に踏み切ったものと思われる。

「とにかく早く完成させる」という北朝鮮お得意の「速度戦」で作業を進めたことで、事故が多発しているのだ。

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