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コロナ対策として昨年1月末から貿易をストップしていた北朝鮮が、輸入を再開する動きを見せている。

北朝鮮内部にいるデイリーNKの高位情報筋によれば、当局は関係機関に対し、今月20日からの公式貿易を認めると通知したという。また、今月12日から14日の間に、貿易会社からのワック(取扱い枠)の新規発行の受付を行なったとも述べた。中国との国境を流れる鴨緑江には、砂採取船やタグボートの姿が戻り、国際貨物列車の運行も再開、両国を結ぶ新たな連絡橋、新鴨緑江大橋の附属施設の建設も再開された。

(参考記事:北朝鮮行きの国際貨物列車、1年2カ月ぶりに運行再開か

ただ、予想されたほどスピーディーに輸入が再開しているわけではないようだ。

デイリーNKの内部情報筋によると、当局は税関業務の再開を2段階に分け、まずは先週から税関を通じた輸入品の搬入を認めた。これは、貿易停止中にも朝鮮労働党の指示でごく限られた量の輸入を行なっていた中央党(朝鮮労働党中央委員会)や軍需工業部の傘下にある貿易会社によるものだ。

上述の通り、受付が終わったワックの発行が完了してようやく、新義州(シニジュ)税関の業務が正常化したと言えるというのが、情報筋の考えだ。

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輸入が完全に再開されれば、今度は輸出を再開する段階となるが、これには時間がかかりそうだ。バーター貿易で代金の代わりに輸入される物品も、当然のことながら消毒の対象となるが、現在稼働している消毒施設だけではキャパシティを超過してしまうのか、当局は検疫と通関が正常に行われない可能性が高いと見て、輸出の再開を遅らせているという。

(参考記事:北朝鮮の貿易都市近隣に大規模検疫施設、コロナ後に向けた動きか

一方、北朝鮮に持ち込まれている物品は、中国・丹東の倉庫で長期間保管されていた工業製品、穀物、加工食品、肥料など。当局はこれらの物品に新型コロナウイルスが付着して北朝鮮国内に持ち込まれる可能性は低いと判断し、来月初頭までにすべて輸入するとのことだ。

その中には、北朝鮮国内の市場で価格が暴騰している砂糖、食用油、小麦粉、化学調味料も含まれている。すでにこれらの製品は、国の承認を得て行われた密輸で、流通量が増え、価格が下落傾向にある。

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(参考記事:北朝鮮の「公式密輸」が一部再開で輸入品価格が下落傾向

上述の新鴨緑江大橋だが、開通は今年6月に以降になるものと見られている。橋に接続する北朝鮮側の道路が未舗装で、舗装工事に多少時間がかかるものと思われる。