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かつての北朝鮮刑法は、金品を渡して他人に仕事をさせることを「労力搾取罪」として、違法行為と見なしていた。最高刑は3年以下の労働教化刑(懲役刑)だ。つまり、人を雇用できるのは国の機関、国営の工場、企業所に限られ、一般の個人が別の個人を雇用することはできないことになっていた。

この法が適正に執行されていたのなら、家政婦を雇い家事をさせるなど、もってのほかのはずだろうが、トンジュ(金主、新興富裕層)や幹部が家政婦を雇うことは、一般的に行われてきた。

(参考記事:北朝鮮の家政婦たちは「夫の月給の30倍」を1カ月で稼ぐ

ところが、長期化するコロナ鎖国で、富裕層にもその影響が及びつつある。平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えている。

首都・平壌郊外にあり、全国有数の流通の拠点である平城(ピョンソン)には、数多くの富裕層が住んでいる。自宅は市内中心部の数万ドルの高級マンションや郊外の豪邸で、中には、「(平壌を流れる)大同江の水が枯れても、自分の懐のカネが枯れることはない」と豪語する者もいたほどだ。家事はもちろん、家政婦任せだ。

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料理、洗濯、掃除、ペットの世話など家事一切を行う家政婦の月給は、10万北朝鮮ウォン(約1600円)から15万北朝鮮ウォン(約2400円)。50万北朝鮮ウォン(約8000円)ほどかかると言われている4人家族の1ヶ月の生活費には満たないものの、国営企業で務めるよりは高額で、市場で商売するよりは安定した収入だ。

ところが最近、トンジュに雇われていた家政婦がクビにされたり、給料を半分に下げられたりする事例が相次いでいる。

平城の富裕層は、主に中国から大量に取り寄せた品物を、全国からやってきた商人に卸すことで利益を得てきた。コロナ鎖国直後には在庫を少しずつ売ることで持ちこたえられていたが、鎖国が長期化するにつれ、それさえも底をついたということだろう。

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昨今の物価の高騰も、そのような状況を反映したものと思われる。

(参考記事:250%もの物価高騰をもたらした北朝鮮のコロナ鎖国

ただ、ようやく長いトンネルの先に光が見え始めている。税関に大規模な消毒施設が建設され、4月中にも貿易が再開されるのではないかとの見方が示されているのだ。ただ、消毒施設の処理能力は未知数で、輸入品は2週間程度留め置かれるなど条件付きの再開となると見込まれ、コロナ前の状況に戻るには相当な時間を要するだろう。

しばらくは富裕層にとっても庶民にとっても苦しい日々が続きそうだ。

(参考記事:北朝鮮の貿易都市近隣に大規模検疫施設、コロナ後に向けた動きか

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