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いくら忠誠心の高い人でも、この朝令暮改ぶりにはうんざりしているだろう。

中国との国境に接する北朝鮮・両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)で、昨年8月、11月、今年1月に続き4度目となる封鎖令が実施されたのだ。

現地のデイリーNK内部情報筋によると、今月3日に中央の指示で封鎖が決まった。司法機関を除くすべての職場、市場が閉鎖され、市民の外出も禁じられた。また、市外へとつながる道路もすべて封鎖された。封鎖の理由は、中国からの不法入国事件が起きたためだ。

前回1月のロックダウンは、予定を繰り上げて18日で終了している。また、恵山で今月3日午後6時から始まったロックダウンはわずか24時間で解除され、市外への移動は統制されているものの、外出そのものは可能になった。このままでは餓死してしまうという市民の不安を知る地元当局は、中央のやり方に異を唱えていたが、それがごく短期間での解除に繋がったのかもしれない。

(参考記事:ロックダウンわずか1日で解除…北朝鮮「コロナ対策」の朝令暮改

通常、封鎖令は1ヶ月の予定で行われるが、三池淵市当局は期間を明確にしていない。その理由は定かでないが、予定期間を大幅に繰り上げて封鎖が解除される事態が相次ぎ、当局の権威失墜に繋がりかねないと懸念しているのかもしれない。

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市民の間では、封鎖令がいつまで続くのかわからないのことで、「物価が再び暴騰するのではないか」(情報筋)と心配する声が上がっている。

恵山と三池淵はいずれも両江道を代表する都市だが、その住民構成には大きな差があるものと思われる。国境貿易が盛んで各地から有象無象が集まっている恵山に対して、北朝鮮の「革命の聖地」であり、金正恩総書記の陣頭指揮で再開発計画が進められた三池淵には、成分(身分)の良い選びぬかれた人々が大勢住んでいる。

(参考記事:女性少尉に「性上納」を強い続けた、金正恩「赤い貴族」の非道ぶり

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また、都市インフラなども整備されているなど様々な理由から、都市封鎖に対しても恵山ほど市民の反発が大きくないのかもしれない。

(参考記事:「赤い貴族」への大盤振る舞いが招く北朝鮮世論の悪化