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「現在、市場は午後2時から午後6時まで開かれている。昨年4月からこのような制限が行われている。たった4時間でその日の商売を終えなければならないなんて、ひどいやり方だと思う。その分だけ収入が減った。今では毎日市場に出られるわけでもない。市場に訪れる人の数を減らすために、商人も1日おきにしか店を開けないようになっている」
(商人のチョンさん)

(参考記事:【北朝鮮国民インタビュー】医薬品が手に入らない。コメ価格は下がり助かった

北朝鮮当局は、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、市場に対する規制を強化している。デイリーNKの行った商人のチョンさんとのインタビューで、当局が、これまでに確認されていた営業時間の短縮に加え、隔日での営業を強いていることも明らかになった。そして米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)が、その詳細について報じている。

平安南道(ピョンアンナムド)の防疫当局は先週(1月24日〜30日)から、徳川(トクチョン)市内の一部の市場に対して、営業は隔日で行うよう指示を下したと、現地の住民情報筋はRFAに伝えている。コロナ疑い患者が発生し、密になりやすい市場からまず制限をかけて感染拡大を防ぐというのが当局の説明だ。

市場の隔日営業指示に対して、市民からは「地域(間)移動制限で住民の足を縛り付けたかと思ったら、今度は市場の運営まで隔日にした」「餓死しろということか」と言った強い不満を示している。

また、「コロナで死ぬよりも、当局に市民の経済活動を妨げられ、餓死することの方が怖い」「当局は食糧配給を一度もせず、住民を縛り付けることばかりに力を入れている」など、不満の声は止まらない。

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市場に対する規制は、北朝鮮の人々に強い不満を抱かせる。収入の多くを市場から得ているからだ。

韓国の北朝鮮研究学会と現代リサーチ研究所が、脱北者を対象に昨年行った調査によると、2016年から2019年までの私経済従事者(市場や企業などから全部または一部収入を得ている人)の割合は48.0%。一方、国営経済従事者(国営企業や国の機関から収入を得ている人)は24.0%で、私経済から収入を得る人の割合は年々増えつつある。

また、米国の戦略国際問題研究所(CSIS)が2017年に、北朝鮮国民36人に対面でアンケート調査を行った結果、全体の75%が「収入のすべてを市場での商売で得る」と答えている。

(参考記事:北朝鮮国民の半数が「商売」で収入を得ている

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このような不満が積もり積もって、小さな争いが大きな抗議活動や暴動に発展するケースもある。

(参考記事:北朝鮮、商売人の小さな暴動 警察と衝突し死傷者発生

実際、平安北道(ピョンアンブクト)では、現地で年明け後にコロナ感染が疑われる患者が複数発生したことを受けて、防疫当局が消毒を口実に市場を閉鎖したが、住民の反発が強くなり、わずか2日で再オープンに追い込まれたと、現地の住民が伝えている。

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新義州(シニジュ)の市場は、防疫当局の規制で売台(ワゴン)の半分が空いている状況だ。当局は、生活難は外部の敵対勢力の反社会主義策動のせいだ、国が苦しいときに自分と国を守るには、無条件で党に従えなどと、旧態依然としたレトリックを使った宣伝活動を行っているが、耳を傾ける者はいないという。